...お嬢さんは框(かまち)へ掛けるのを猶予(ためら)わなかった...
泉鏡花 「薄紅梅」
...来れば直ぐにも知らせますがね」上(あが)り框(がまち)へ腰をかけて...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...植木鉢が三つ四つ並んでる出張り框に腰掛けて...
豊島与志雄 「小さき花にも」
...ジャン・ヴァルジャンから目を離さずに扉(とびら)の框(かまち)を背にして立っていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...鎧戸(よろいど)もあり大きな窓ガラスの框(かまち)もついていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...扉(とびら)、鉄門、庇(ひさし)、框(かまち)、こわれた火鉢(ひばち)、亀裂(きれつ)した鍋(なべ)、すべてを与え、すべてを投げ込み、すべてを押し入れころがし掘り返し破壊しくつがえし打ち砕いたのである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そら」上(あが)り框(がまち)...
中里介山 「大菩薩峠」
...汝(わ)りやあ」「おとつゝあ持(も)つてんだから俺(お)ら知(し)んねえ」與吉(よきち)は上(あが)り框(がまち)に胸(むね)を持(も)たせて下駄(げた)の爪先(つまさき)で土間(どま)の土(つち)を叩(たゝ)きながら卯平(うへい)と斯(か)うして數語(すうご)を交換(かうくわん)した時(とき)「えゝからそんな藥(くすり)なんぞのこと構(かめ)えたてんなえ...
長塚節 「土」
...上(あが)り框(がまち)に帳面(ちやうめん)を持(も)つて腰(こし)を掛(か)けた掛取(かけとり)らしい小僧(こぞう)が...
夏目漱石 「門」
...仕切りの框に肘つきながら云つた...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...上がり框(かまち)にヌッと突っ立ったのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...上がり框(かまち)に近く崩折(くずお)れたまま泣いているのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...上り框(がまち)から腰を浮かし...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...患っているんじゃねえかと思って」勝手の框(かまち)に腰をおろすと...
久生十蘭 「春の山」
...至堅の框木も一楔木の挿入より裂くるを思わば...
日野強 「新疆所感」
...皆んなが上(あが)り框(がまち)に突立つて見送つてゐた...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...這(は)いながら上り框(がまち)のほうへゆき...
山本周五郎 「季節のない街」
...狭い店の上り框(がまち)へ...
山本周五郎 「末っ子」
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