...根限りの力を尽して...
アナトール・フランス Anatole France 芥川龍之介訳 「バルタザアル」
...人民の立派な土地を失う仕事をしている者が輦轂(れんこく)の下に在る!」根限りの大声で叱して...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...精限り根限り働いて...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...当時佐助は五つ六つの曲をどうやらこなすまでに仕上げていたので知っているだけを皆やってみよと云われるままに度胸を据(す)えて精限り根限り弾いた「黒髪(くろかみ)」のようなやさしいものや「茶音頭」のような難曲や素(もと)より何の順序もなく聞き噛(かじ)りで習ったのであるからいろいろのものを不規則に覚えていたのである鵙屋の家族は佐助が邪推(じゃすい)したように笑い草にする積りであったかも知れないが...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...長々と谷間伝いを根限り戻り舟を牽(ひ)いて来る...
夏目漱石 「虞美人草」
...精根限り喋って居たのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...いゝものを根限り書こう――...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...僕の頭を根限り追いまくった...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...彼等は根限り駆ける! すると車が早く廻る...
葉山嘉樹 「坑夫の子」
...根限り忍耐を続けてゐるものの情感だ...
原民喜 「飢ゑ」
...精根限り駆けずり廻ったあとのように肩で大息をしている...
久生十蘭 「魔都」
...根限りの現を抜かして...
牧野信一 「熱い風」
...いつも私は根限りの熱中を惜しまなかつた...
牧野信一 「熱い風」
...二人は私の腕を左右から根限り引つ張つたまゝ...
牧野信一 「ゾイラス」
...「永遠の理想」のためと「尽きざる夢」のためにのみ根限りの頭をつかつて...
牧野信一 「船の中の鼠」
...私たちは根限りの威厳をはらつて物々しい剣士振りが示したかつたのだ...
牧野信一 「武者窓日記」
...満身の力を込めて根限りにゼーロンの尻を打ち降しつゞけた...
牧野信一 「夜見の巻」
...嵐の中で彼自身の地肌を完全に保存したわたしらえの侵害をあなたらの禦いだのには及ばなかったが根限りあなたらえの侵害を守ろうとしそして囚われの中でわたしらはなお聞いた―――大陸の都市と村々をどよもす風のさゞめきの陰でさらされた舌が一様にひるがえり...
槇村浩 「異郷なる中国の詩人たちに」
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