...根気よく盛り場を窺(うかが)いまわって...
芥川龍之介 「或敵打の話」
...それで私の原稿を半年以上も文藝春秋へ根気よく載せてくれたA君の好意に対して...
犬養健 「“指揮権発動”を書かざるの記」
...それを根気よく視つめていると...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...それからまたどの映画にも必ず根気よく実に根気よく繰返される退屈な立廻りが...
寺田寅彦 「雑記帳より(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...そういう市民を彼らは根気よくつけ回す...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...雨の糸は高い空から庭中の樹木を蜘蛛の巣のやうに根気よく包んで居る...
永井荷風 「花より雨に」
...時々呑気(のんき)そうに袂(たもと)から毛抜(けぬき)などを出して根気よく鼻毛を抜いていた...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...三千両はどこへ消えたんだ」ガラッ八は根気よく見て廻りますが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...根気よく茶の植付けに情熱をかたむけてゐる...
林芙美子 「浮雲」
...根気よく編みかえしている...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...根気よくシュラー氏を待っている...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...根気よく電話に出る...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...とにかく根気よく進められて...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...監督アウグスト・ジェニーナは人間再出発の自然的条件として沙漠というものを実に根気よく繰り返し繰り返し見せている...
宮本百合子 「イタリー芸術に在る一つの問題」
...ゆっくり、根気よく、仕事に要される持続力の全幅を傾けてやりましょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...とにかく出張費が底をつくまで根気よく歩き廻って調べ上げた...
武者金吉 「地震なまず」
...この帯安のほかに袋物専門の鈴仙商店と京橋の老舗玉井屋あたりの番頭なども根気よく未だに通いつめているようである...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...「――見ていやがれ、間もなく、この吉水の禅房も、ぺしゃんこにしてくれるから」嬰児(あかご)の泣き声がするようでは、この一棟の房にこそ、女人(にょにん)がいるに違いないと、彼は、根気よく、耳をすましていたが、時おり、床下へ洩れてくる人声や跫音(あしおと)は男のものであって、女のいるらしい気配はなかった...
吉川英治 「親鸞」
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