...根気よく刃傷(にんじょう)の相手を探して歩いたが...
芥川龍之介 「忠義」
...その 店の 一つを 僕は 非常に なつかしく おもつた――と云ふ のは、僕の ふらり 外出する たんびに 目に 触れる からで、葉の 大きな イタヤもみぢ の 太い 根もとに、晴天 なら 勿論、雨天 でも、根気よく、店を 張つてゐるのだ...
岩野泡鳴 「札幌の印象」
...蜂が根気よく唸りつづけてやがて...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...根気よく一箇年(かねん)ほど...
薄田泣菫 「茶話」
...根気よく散歩に出てさがしているうちに...
谷譲次 「踊る地平線」
...それでも彼は背中の皮を根気よく撫でゝやりながら...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...今後少なくも二千年や三千年は昔からあらゆる災難を根気よく繰り返すものと見てもたいした間違いはないと思われる...
寺田寅彦 「災難雑考」
...生徒と共に根気よく自然と取込み合うという気があれば十分である...
寺田寅彦 「雑感」
...根気よく色々やって見ていると巧いものが見付かった...
中谷宇吉郎 「雪」
...また今少し根気よく猛進したなら...
夏目漱石 「イズムの功過」
...私は根気よく眼科へ通つた...
北條民雄 「外に出た友」
...そうして子供たちが低い枝にあった実をすっかり食べつくしてしまうと、今度は高くて容易に手の届きそうもない枝をしきりに手(た)ぐろうとしては失敗しているのを、私は根気よく、むしろ面白(おもしろ)いものでも見ているように見入っていた...
堀辰雄 「美しい村」
...その間、根気よく、堀は玄関で馬を乗りまわしていた...
本庄陸男 「石狩川」
...いつ迄もいつ迄もお互いにひとつことを繰り返しては根気よくさしつさされつ――トド杉大門はへべのれけになって小間物店まで吐きだした...
正岡容 「小説 圓朝」
...雪と土とを根気よく掻(か)き掘(ほ)じっていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...根気よく根に注いでいた...
吉川英治 「日本名婦伝」
...幾つぶ宛(ずつ)かを根気よく噛んでは...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...帽子を根気よく探す夢を見た...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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