...高い料金をだして毎晩根気よく同じ曲乗りを見物にやってくる彼の道楽がどうしてもわかりかねた...
モーリス・ルヴェル 田中早苗訳 「或る精神異常者」
...新巴里(パリー)名所「親不知子不知(おやしらずこしらず)」――もっとも交通巡査だって根気よく捜査すると一人ふたりそこらに居るにはいるんだが...
谷譲次 「踊る地平線」
...自分で根気よく探索したのであるらしい...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それを根気よく視つめていると...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...そういう理想に少しでも近づくようにという希望だけでも多数の国民が根気よくもち続けるよりほかに道はないであろう...
寺田寅彦 「ジャーナリズム雑感」
...床へはひつてから一流のものさびしい節をつけて一晩に一首二首と根気よくおぼえさせた...
中勘助 「銀の匙」
...紀昌は根気よく、毛髪(もうはつ)の先にぶら下った有吻類(ゆうふんるい)・催痒性(さいようせい)の小節足動物を見続けた...
中島敦 「名人伝」
...こうして根気よく測り...
中谷宇吉郎 「アラスカ通信」
...それでも根気よくやっていると大豆(だいず)ほどになります...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...能の実演を(なるべく良い技術を数多く)根気よく見なければならぬ...
野上豊一郎 「演出」
...いくども根気よくやり直してどうにかやりこなし...
久生十蘭 「キャラコさん」
...根気よく編みかえしている...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...この玄米と菜などは日頃噛む十層倍も根気よく口のなかで糊にして胃へ入れる事に依って...
吉川英治 「黒田如水」
...根気よくすすめてくれるのですが」「あなたの意はうごきますまい...
吉川英治 「三国志」
...雪と土とを根気よく掻(か)き掘(ほ)じっていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...根気よく鳴りをしずめている他(ほか)の者へ...
吉川英治 「親鸞」
...根気よく大事をとって機を待っている...
吉川英治 「宮本武蔵」
...山のように積み上げたもみじの葉を根気よくたき口から突き込んで...
和辻哲郎 「京の四季」
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