...これは」庭の右の隅になった楓の老木の根方に一疋(ぴき)の蛇がにょろにょろと這(は)っているところであった...
田中貢太郎 「春心」
...今度は南の空の根方(ねかた)が赤く焼けて居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...あずかっとりました」松の根方に腰を下ろして...
徳永直 「冬枯れ」
...しきりに杉の根方(ねかた)を突っついていました...
中里介山 「大菩薩峠」
...松の根方に転がっている金一封を暫らくながめていましたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...宇治山田の米友は、こうして、しばらく空をながめて突立っていましたが、なんとなく名状し難い、一種の空虚な感じが頭の中にわいて来て、たまらなくなったものと見え、松の根方に、またも二度三度、じだんだを踏んで、「ばかにしてやがら」と言いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...この館(やかた)の例の松の大木の根方に彳(たたず)んで...
中里介山 「大菩薩峠」
...お角さんを松の根方の正座に据え...
中里介山 「大菩薩峠」
...大公孫樹(おほいてふ)の根方に腰をおろして足をふみはだかつたお坊さんの前に...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...何とかいう旅館の塀の前あたりの柳の根方に...
長谷川伸 「幽霊を見る人を見る」
...掘立柱の根方のところをひとわたり調べまわっていたが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...人気(ひとけ)のないはずの松の根方(ねかた)から矢庭(やにわ)に駈け出した一人...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...お勢は大榎(おおえのき)の根方(ねがた)の所で立止まり...
二葉亭四迷 「浮雲」
...箱根方面に光を認めたが...
武者金吉 「地震なまず」
...そこの一番大きい柿の樹の根方から...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...それはマン丸く茂った山梔木(くちなし)の根方の...
夢野久作 「巡査辞職」
...彼(か)の梅の古木の根方を丸く輪形に耕して...
夢野久作 「白くれない」
...それから五町ばかり先の岩の根方に横たわっている忠平の死骸の処まで...
夢野久作 「眼を開く」
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