...江戸特有の遊里情調もまた根底から破壊されて殺風景なただの人肉市場となってしまった...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...あらゆる旧物を破壊して根底から新文明を創造しようとした井侯の徹底的政策の小気味よさは事毎に八方へ気兼(きがね)して※咀逡巡(しそしゅんじゅん)する今の政治家には見られない...
内田魯庵 「四十年前」
...何か新しい学説が発表せられるごとに自然淘汰説は根底から覆されたという評判が立ち...
丘浅次郎 「人間生活の矛盾」
...根底から修養を仕直しするの覚悟があるならば...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...いずれは樵夫(やまがつ)か猟師たちの陋(むさ)くるしい小舎であろうと考えていた我々の想像は根底から覆されて...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...アインシュタインの研究によってニュートンの力学が根底から打ちこわされた...
寺田寅彦 「春六題」
...古典の形式主義を根底から覆(くつが)えそうとしたのである...
野村胡堂 「楽聖物語」
...土地と民権のための自由民権闘争のほうはいたる大波が明治政府を根底からゆさぶった革命期にあたって...
服部之総 「望郷」
...やはり根底から震撼されるとともにはじめて文学のスタートを切る気持に突きやられたのではないかということです...
原民喜 「ある手紙」
...僕は根底から震駭された...
原民喜 「災厄の日」
...作者がその骨組を根底からくつがえして...
平林初之輔 「「陰獣」その他」
...妾のたった今までの自信が根底からくつがえされたような気がした...
平林初之輔 「オパール色の手紙」
...文学哲学の価値を一旦根底から疑って掛らんけりゃ...
二葉亭四迷 「私は懐疑派だ」
...此の戦争で歌舞伎新派の所謂大芝居は根底からぐらついてしまひ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...性格上の根底から相憎み合つてゐる上からは...
牧野信一 「ゾイラス」
...在来の米の御飯というものへの日本人の気持は根底から変えられてゆかなければならないことともなるのだろう...
宮本百合子 「「うどんくい」」
...即ち根底から之(これ)を破壞して新に假名遣を再造しなければならぬと云ふ程懸隔しては居らぬやうに見て居ります...
森鴎外 「假名遣意見」
...根底から不具にしてしまった形だった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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