...酔つたまぎれの久米氏はいきなり栂指(おやゆび)をもつて蜜柑をむりやりに口の中に押し込んでしまつた...
薄田泣菫 「茶話」
...ピクピクと何気なく栂指(おやゆび)に力を込めて動かしてみた瞬間...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...從つてその持つた森林帶には、扁柏、栂(つが)、山毛欅(ぶな)などが一面に密生して、深山でなければ見ることの出來ない原始的のカラアに富んでゐる...
田山花袋 「日光」
...笹村は栂(つが)のつるつるした縁の板敷きへ出て...
徳田秋声 「黴」
...栂尾に居た年から八年程後...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...栂尾の高山寺に其の原本があります...
内藤湖南 「弘法大師の文藝」
...出現の場所は、白馬連峯の小蓮華から北東につづく、大池を抱えた乗鞍岳の、東南角をなすゆるやかな斜面で、栂池の上方、東は天狗原に続く地点だ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...こう栂指(おやゆび)で押えていようといった嗜(たしな)みは...
野村胡堂 「十字架観音」
...小僧 (木挽を呼びにくる)きのう挽いた栂(つが)が寸法違いだというぜ...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...「胸のところに色糸(いろいと)でK・Uという頭文字が刺繍(ぬいとり)してある……君の名は栂尾(とがお)ひろ...
久生十蘭 「肌色の月」
...栂尾ひろという無機物のような女性が誕生した...
久生十蘭 「肌色の月」
...樹は次第に大きくなり、同じ栂、樅の類でも上の方に比べると勢好く生長してゐる...
吉江喬松 「山岳美觀」
...旗鉾からは山は次第に深くなり、樅、栂、檜などの大木が茂つて、路は泥深く、牛の足跡に水が溜つて居て、羽蟲が一面泥の上を飛んで、人が行くとぱつと舞ひ上る...
吉江喬松 「山岳美觀」
...樅栂などの常緑樹の林には...
吉江喬松 「山岳美觀」
...栂尾(とがのお)の上人の著書を」「うむ...
吉川英治 「親鸞」
...栂尾(とがのお)の明慧(みょうえ)上人があのような論駁(ろんばく)を世上に投じている場合...
吉川英治 「親鸞」
...栂(とが)や樅(もみ)などの針葉樹林であつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
...栂などの常磐木にはことに見ごとな老木があった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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