...竹行李が二つ、柳行李が一つ、漬物樽が一つ、ストーヴが一つ、大きな風呂敷包が一つ、書棚が一つ、それ等がごつたに折り重なつた上に、簡單な机が仰向けに積んであつた...
有島武郎 「半日」
...柳行李に何杯だったかも聞き忘れた...
大鹿卓 「金山※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28]話」
...柳行李と同じやうに人生の旅に無くて叶(かな)はない電車である...
薄田泣菫 「茶話」
...柳行李(やなぎごうり)の中に...
太宰治 「ろまん燈籠」
...柳行李(やなぎごうり)と用箪笥(ようだんす)の隙間の暗い穴ぼこになった所に...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...俥が来ると――その時分には小さい柳行李を持つて皆歩いてたもので其れに着替への羽織など皆這入つてゐる...
談洲楼燕枝(二代) 「燕枝芸談」
...古い昔の柳行李(やなぎごうり)の弁当入れとわかると...
壺井栄 「二十四の瞳」
...ともかくも古い柳行李(やなぎごうり)のふたに古い座ぶとんを入れたのを茶の間の箪笥(たんす)の影に用意してその中に三毛をすわらせた...
寺田寅彦 「子猫」
...私は急いで例の柳行李のふたを持って来て母子(おやこ)をその中に安置したが...
寺田寅彦 「子猫」
...駅に預けっ放しにしてるという柳行李を一つ取って来たりした...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...女の荷物であるらしい柳行李が白く鮮かである...
長塚節 「開業醫」
...大きな柳行李には麻繩が掛けてある...
長塚節 「開業醫」
...陰士の影に鋭どく二分せられて柳行李(やなぎごうり)の辺(へん)から吾輩の頭の上を越えて壁の半(なか)ばが真黒になる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...中位の柳行李位な石が...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...「うん、仕方がない」蒲団、柳行李、信玄袋、鍋、釜、米とぎ桶、茶瓶、などを、それぞれ、分担して、身体につけ、乞食のような恰好で、海岸添いの道を歩いた...
火野葦平 「花と龍」
...柳行李(やなぎごうり)の蓋にてそこらを叩き立て「へえ...
三木竹二 「いがみの権太」
...柳行李一パイ百円ぐらいで掴まされた事があるそうです...
夢野久作 「爆弾太平記」
...一寸重い柳行李を持てあましながら...
若山牧水 「樹木とその葉」
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