...有り合はせの楢(なら)と橡(とち)と桐と樒(しきみ)と柿と椎と松と杉と柚(ゆ)と桑とを詠み込んで見せたものだ...
薄田泣菫 「器用な言葉の洒落」
...粒立つた肌をした黒緑の二つの柚の実の外貌...
薄田泣菫 「独楽園」
...・寒う曇ればみそさゞいが身のまはり・大根あんなに土からおどりでてふとく・早う寝るとして寒い薬を掌(テ)に・ゆふべあかるくいろづいてきて柚子のありどころ十一月廿三日天地清明...
種田山頭火 「其中日記」
......
種田山頭火 「其中日記」
...柚味噌をこしらへた...
種田山頭火 「其中日記」
...冬至の佳節なればとて家人柚湯をたく...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...柚というものにかなっているらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...柚子は白川のぶざまなようすを見据えたうえで...
久生十蘭 「雲の小径」
...お仲間ですもの」「お仲間って?」柚子は唇の端をひきさげると...
久生十蘭 「雲の小径」
...そのことは柚子もうすうす知っているらしかった...
久生十蘭 「春雪」
...いったい、いつごろのことなんだ」「終戦の年の四月八日」「なるほど……浸礼を受けたのは、結婚式の準備だったわけか」「そのとおり……断(こと)わっておくが、柚子さんは、その相手と、ただの一度も、文通したこともなければ、話をしたこともない...
久生十蘭 「春雪」
...美しかろうと思ったのさ」柚子の日記帳の「晴」というのは...
久生十蘭 「春雪」
...そんなフラフラ病気は一辺で治つてしまふんだが……」柚太の片目はぎろりと光つてゐた...
牧野信一 「剥製」
...冬日かがやいている柚の木の下...
正岡容 「小説 圓朝」
...水の粉やあるじかしこき後家の君尼寺や善き蚊帳垂るゝ宵月夜柚(ゆ)の花や能酒蔵す塀の内手燭して善き蒲団出す夜寒かな緑子の頭巾眉深きいとほしみ真結びの足袋はしたなき給仕かな宿かへて火燵(こたつ)嬉しき在処(ありどころ)後の形容詞を用ゐる者...
正岡子規 「俳人蕪村」
...橘柚金黄楓錦紅...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...金柚(きんいう)は時々合(いんがふ)(此七字不明)一興をそへ申候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...債務者の脂を柚子(ゆず)なら苦い汁が出るまで絞ることは己に出来る...
森鴎外 「雁」
便利!手書き漢字入力検索