...四柘榴口の中は、夕方のようにうす暗い...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...柘榴(ざくろ)の茂つてゐる市ヶ谷のお邸の門はどうもくゞり悪(にく)かつた...
犬養健 「愚かな父」
...石灯籠の下にある草柘植(くさつげ)を少し離れて...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...仙媛柘(シミ)の小枝と化して...
高木敏雄 「比較神話学」
...貴生川(きぶかは)を經て汽車を利して柘植(つげ)にり...
近松秋江 「伊賀、伊勢路」
...夜毎(よごと)に彼處(あそこ)の柘榴(じゃくろ)へ來(き)て...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...そしてこぶしの大樹と柘榴の老木の間のところへ皆(みん)なを集めた...
徳田秋聲 「余震の一夜」
...庭の柘榴の木の下で産気(さんけ)づいて...
徳田秋聲 「余震の一夜」
...柘榴口めいた巨材をくぐった湯槽には油とまがう湯があふれて...
中村清太郎 「山岳浄土」
...柘榴口(ざくろぐち)からまっ赤になって這いだして来たのは...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...陰部から下腹部へかけて柘榴(ざくろ)のように切り開かれている...
牧逸馬 「女肉を料理する男」
...一つのみ時雨に赤き柘榴かなそして私も...
三好達治 「測量船」
...砂と柘榴(ざくろ)堀(ほり)の洋品雑貨店「みその」の息子が嫁を貰(もら)った...
山本周五郎 「青べか物語」
...柘植の木の横から段を降りるのが沼の水面に映っていた...
横光利一 「旅愁」
...柘植玄蕃(つげげんば)などの部将も列して...
吉川英治 「新書太閤記」
...ただ、名宛の柘植様は、先頃、別所でお見かけしましたから、ひょっとしたら、お留守かもしれません...
吉川英治 「山浦清麿」
...山浦だが』『柘植嘉兵衛様からの御手紙でござりまする』『おお...
吉川英治 「山浦清麿」
...恩人柘植嘉兵衛の失脚――兄真雄へのさまざまな迫害――妻のお咲や梅作の身にも...
吉川英治 「山浦清麿」
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