...花ざかりの柘榴(ざくろ)の木の下で若い女が大ぜい踊つてゐるのに遇つた...
アナトール・フランス Anatole France 芥川龍之介訳 「バルタザアル」
...その外には二本の青桐と金目(かなめ)が五六本と柘榴(ざくろ)などがある...
高浜虚子 「発行所の庭木」
...菊其他キヤラメルも亦(また)供へあり小時(ことき)来て柘榴(ざくろ)を供へ拝みけり十月十二日 実花...
高浜虚子 「六百句」
...貴生川(きぶかは)を經て汽車を利して柘植(つげ)にり...
近松秋江 「伊賀、伊勢路」
...すぐ柘植(つげ)の驛がある...
近松秋江 「伊賀國」
...瘤(こぶ)だらけの柘榴(ざくろ)の枯枝と...
夏目漱石 「それから」
...墓場の下の祖母上よ、今日はまた力なき私の心によみがへり、私の昔の庭にきて、茂れる青草に水をかけてやつてください、ああ 古く乾からびた木製の椅子、庭の隅にかたむける犬小舍、赤い柘榴の花、祖母上よ、なにゆゑに、なにゆゑに、かくも私の心は悲しいのか、このさめざめとしてはてしなき冬の日のいまはしさ、おそろしさ、せつなさ、寂しさを、墓場の下の祖母上よ...
萩原朔太郎 「よき祖母上に」
...間宮茂輔の「柘榴の花」を読み出す...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...陰部から下腹部へかけて柘榴(ざくろ)のように切り開かれている...
牧逸馬 「女肉を料理する男」
...柘榴のよく咲いた時分...
正岡容 「下町歳事記」
...『樫づんど 若木の柘(つげ)に黐(もち)の森 雪隠椿...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...一つのみ時雨に赤き柘榴かなそして私も...
三好達治 「測量船」
...柘植玄蕃(つげげんば)などの部将も列して...
吉川英治 「新書太閤記」
...鼻が柘榴(ざくろ)になったりする...
吉川英治 「宮本武蔵」
...他(ほか)ならぬ柘植様のお口添えで...
吉川英治 「山浦清麿」
...恩人の柘植嘉兵衛(つげかへえ)と...
吉川英治 「山浦清麿」
...柘榴(ざくろ)のように割れた...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...柘(つみ)の枝(え)の化してなった柘媛(つみひめ)も吉野の山の仙女から羽衣で飛ぶ天女に変化させられたことである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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