...膚からとも知れぬ柔軟な香(かお)りだけでも去りがたい思いをさせたに違いなかった...
有島武郎 「或る女」
...このピカピカして薄い柔軟なものは...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...柔軟な真実自身がパラドックシカルだとすれば評論家にはパラドックスは絶対的に必要なわけだ...
戸坂潤 「思想としての文学」
...あの柔軟な舌を動かさずにいたということが変で...
中里介山 「大菩薩峠」
...メロディアスで柔軟な自由律は...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...柔軟な生物のあたゝかさが...
林芙美子 「瀑布」
...国語の柔軟なる、冗長なるに飽きはてて簡勁(かんけい)なる、豪壮なる漢語もてわが不足を補いたり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...これは柔軟な含蓄ある表現ですね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あのように柔軟な体は容易にそういう悪い癖を取り易いのみならず...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ぜんたいに柔軟なまるみと艶(つや)があらわれているし...
山本周五郎 「ちいさこべ」
...その柔軟なからだで表現する不謹慎な嬌態(きょうたい)とは...
山本周五郎 「風流太平記」
...柔軟な戦法をとった...
山本周五郎 「風流太平記」
...柔軟な身ごなしや...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...そのあたりから徐々に乳部を残して柔軟な肌を舌で探って行った...
吉川英治 「新・水滸伝」
...全部で五系統の柔軟な腕ないし触手をなす...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...一滴の水を顕微鏡でのぞくと、無数の透明な、柔軟な、敏捷な物がたがいに追いまわし、たがいに喰い合っているのが見える...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...先生のいかにも柔軟な...
和辻哲郎 「歌集『涌井』を読む」
...トルレスのような柔軟な心の持主でなく...
和辻哲郎 「鎖国」
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