...その客観は柔軟なる粘土の如く作者の手に従って形を成し...
高浜虚子 「俳句への道」
...柔軟な真実自身がパラドックシカルだとすれば評論家にはパラドックスは絶対的に必要なわけだ...
戸坂潤 「思想としての文学」
...彼の柔軟なたわみやすいはずれがちな病的な畸形(きけい)な思想は...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...柔軟な身体(からだ)が...
野村胡堂 「裸身の女仙」
...特に僕等のやうな「柔軟な頭脳」の所有者にとつては...
萩原朔太郎 「ニイチェに就いての雑感」
...壺をあつかう柔軟な女の手つきを...
火野葦平 「花と龍」
...其処へ入るものの頭蓋骨が未だ小さく柔軟な場合である...
松永延造 「職工と微笑」
...或る者が柔軟なる心の人(the tender-minded)であるか若くは強靱なる心の人(the tough-minded)であるかに從つて...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...我々は体のなお柔軟なうちに...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼の心はいかなる業にも等しく適応し得るほど柔軟なりき...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...小柄で柔軟な躯(からだ)つきだけである...
山本周五郎 「屏風はたたまれた」
...柔軟な躯をぴったりと彼にすり寄せた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...不断に動いてやまぬ柔軟な自然という外界を縛るためには...
横光利一 「スフィンクス(覚書)」
...いわば柔軟な強迫だった...
吉川英治 「私本太平記」
...決して端麗柔軟なお方じゃなくて...
吉川英治 「親鸞聖人について」
...全部で五系統の柔軟な腕ないし触手をなす...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...一滴の水を顕微鏡でのぞくと、無数の透明な、柔軟な、敏捷な物がたがいに追いまわし、たがいに喰い合っているのが見える...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...トルレスのような柔軟な心の持主でなく...
和辻哲郎 「鎖国」
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