...膚からとも知れぬ柔軟な香(かお)りだけでも去りがたい思いをさせたに違いなかった...
有島武郎 「或る女」
...柔軟な波動をして...
アルチバシェッフ・ミハイル・ペトローヴィチ Artsybashev Mikhail Petrovich 森林太郎訳 「死」
...感じの柔軟な暖かさが彼の頬(ほお)にも触れた...
徳田秋声 「仮装人物」
...柔軟な白い皮膚をもつた...
徳田秋聲 「芭蕉と歯朶」
...柔軟な真実自身がパラドックシカルだとすれば評論家にはパラドックスは絶対的に必要なわけだ...
戸坂潤 「思想としての文学」
...海綿のように粗(あら)い柔軟な彼の考えを浸していた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...柔軟な生物のあたゝかさが...
林芙美子 「瀑布」
...柔軟な手足のこなしである...
火野葦平 「花と龍」
...柔軟な突こみがされそうな感じで...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...女御(にょご)があまりに柔軟な様子であることは...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...我々の柔軟な理性が...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...(c)それは物体においてよりも精神においてますます多くあるものであるから(なぜなら精神の方こそより柔軟な・より多くの形を与えられ易い・実体なのであるから)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ぜんたいに柔軟なまるみと艶(つや)があらわれているし...
山本周五郎 「ちいさこべ」
...胸も腰もまだ固そうだが、すこやかに発達した、柔軟なまるみが、そのためにかえって、神々しくさえみえた...
山本周五郎 「山彦乙女」
...手にあまる柔軟な滴りをまだ矢代は彼女から受けたことがなかった...
横光利一 「旅愁」
...その柔軟な輪郭が違っています...
吉川英治 「江戸三国志」
...各腕の先端より八センチの柔軟な黄色い管が突出...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...一滴の水を顕微鏡でのぞくと、無数の透明な、柔軟な、敏捷な物がたがいに追いまわし、たがいに喰い合っているのが見える...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
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