...汚い天水桶の上には鳥の柔毛(にこげ)が浮んでいた...
田中貢太郎 「春心」
...牲の頭を厚く掩ふ*柔毛ざくと斬り落す...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...顋に柔毛(にこげ)の生へそめて影青春の美しき...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
......
峠三吉 「原爆詩集」
...きらきらする柔毛(にこげ)の間より眼に見えぬ炎でも燃(も)え出(い)ずるように思われた...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...ブロンドの柔毛のような髪が...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...腦天のあたりに鳥の柔毛(にこげ)のやうな毛が少しばかりぽツとしてゐる...
三島霜川 「解剖室」
...恰で鳥の柔毛(にこげ)が風に飛ぶやうに氣が浮々(うき/\)する...
三島霜川 「平民の娘」
...柔毛の生えた保の若々しい上唇のところや...
「おもかげ」
...柔毛でうっすり黒い上唇と下唇とをキッと結び合わせて...
「海流」
...上唇に薄すり柔毛のかげがある順二郎の丸い顔は心持蒼ざめた...
「海流」
...それでも銀の柔毛(にこげ)を持つた栗の若葉のやうに真純な...
室生犀星 「抒情小曲集」
...頸から胸にかけての柔毛(にこげ)は如何にも稚を含んでいて好もしいが...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...柔毛の白く光る彼女の肉に私は魅力をおぼえたのだ...
山川方夫 「演技の果て」
...眉は薄墨で描いたような柔毛であるが...
山本周五郎 「半之助祝言」
...地面の上でばたばたと柔毛(にこげ)を散らしている雀の姿を...
山本周五郎 「風流太平記」
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