...柔らかな褥(しとね)を改めた卓上はすでにまったく清められて...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...愛らしく結んだ唇なぞを眺めているうちに……クッキリと盛り上がった胸や柔らかな腰の線に見惚(みと)れて思わず手紙を書く手をやすめてしまいました...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...「失礼」と私はもの柔らかな口調でいった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...襞(ひだ)の広い柔らかなマントのように...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それとともに展(ひら)けゆく柔らかな楽句の中に身を浸すことは...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...呉服屋の番頭らしい物柔らかな感じの大男でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...世間の女に見るような柔らかな感じなどは失っておいでになるであろうとこんな観察も薫はされるのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...中の君を恋しく思う心の添った人であるから、わけもなく服装などが気になり、柔らかな衣服に、備わるが上の薫香(くんこう)をたきしめて来たのであったから、あまりにも高いにおいがあたりに散り、常に使っている丁字(ちょうじ)染めの扇が知らず知らず立てる香などさえ美しい感じを覚えさせた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...故人は限りもなく上品で気高(けだか)くありながら柔らかな趣を持ち...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「人はここに物柔らかな・心地よい・自然簡素な・言葉づかいと...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それは情に柔らかな作品であった...
柳宗悦 「朝鮮の友に贈る書」
...小さな柔らかな髮飾をして...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...何か柔らかなものが絡(から)みついた...
吉川英治 「新書太閤記」
...柔らかな衣の線の動き...
和辻哲郎 「偶像崇拝の心理」
...特に本尊阿弥陀のほのかに浮き出た柔らかな姿は...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...白い壁との柔らかな調和のうちに...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...古代の墳墓に見られると同様なあの柔らかな円味を遺憾なく現わしている...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...それはもはやあの柔らかな...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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