...すべて柔らかな純銀の紐で括(くく)られていた...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...その細い柔らかな藻草の上に...
中里介山 「大菩薩峠」
...湖岸の柔らかな苔の上に...
久生十蘭 「泡沫の記」
...着ている着物の柔らかな白い布地から出るのか...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...蒲鉾(かまぼこ)様に円く豆腐ごとく白浄な柔らかなもの故...
南方熊楠 「十二支考」
...なつかしい柔らかな嫋々(じょうじょう)たる美というものは故人に劣っていると事に触れて薫は思った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...なよなよと柔らかな姫君と見えるが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...我々の人生に物柔らかな静穏を与え...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ややほそ面の平凡な顔だちであるが、しもぶくれのふっくらとした顎(あご)と、受け口の、ひき緊った唇(くち)つきと、そして右の眼尻にある、かなり大きな黒子(ほくろ)とが、凛(りん)とした表情に、柔らかな、幾らか嬌(なま)めいた印象を与えていた...
山本周五郎 「竹柏記」
...おちついた柔らかな口ぶりで...
山本周五郎 「風流太平記」
...こう思いながら、彼は自分の右の手を見、柔らかな、色の白い、そして太った手をひろげ、それから、なにかを掴(つか)むように、静かに、しっかりとその指を握りしめた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...柔らかな変化を以て最高音に導き...
夢野久作 「能とは何か」
...たしかに男性の底知れぬ柔らかな寛仁大度の風姿がよくこの像に現れていると思った...
横光利一 「欧洲紀行」
...何か柔らかなものが絡(から)みついた...
吉川英治 「新書太閤記」
...使うに物柔らかなことが...
吉川英治 「新書太閤記」
...胴体に密着している衣文の柔らかなうねり...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...特に本尊阿弥陀のほのかに浮き出た柔らかな姿は...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...古代の墳墓に見られると同様なあの柔らかな円味を遺憾なく現わしている...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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