...すべて柔らかな純銀の紐で括(くく)られていた...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...なんとなくもの柔らかな...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...五月六月の柔らかな光の中で...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...加うるに柔らかな潤いをもっている...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...烟(けむり)とも霧ともつかぬ柔らかな夜の水蒸気が...
中里介山 「大菩薩峠」
...そして小草(をぐさ)を超えて吹く柔らかな風の音を聞いた...
中沢臨川 「愛は、力は土より」
...又婦人の餅肌(もちはだ)のように柔らかなのです...
「木下杢太郎著『唐草表紙』序」
...物柔らかな暮しと云うものは...
林芙美子 「新版 放浪記」
...着ている着物の柔らかな白い布地から出るのか...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...柔らかな調子でものを言うのであったから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そのもの柔らかな言葉や...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...おちついた柔らかな口ぶりで...
山本周五郎 「風流太平記」
...たしかに男性の底知れぬ柔らかな寛仁大度の風姿がよくこの像に現れていると思った...
横光利一 「欧洲紀行」
...柔らかなるしもいと著(しる)かりけり...
吉川英治 「新書太閤記」
...ことに雨に濡れていよ/\柔らかな薄紅色にそよいでゐる若葉が何ともいへず美しかつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
...柔らかな衣の線の動き...
和辻哲郎 「偶像崇拝の心理」
...胴体に密着している衣文の柔らかなうねり...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...そうしてあの頸(くび)の、静かな、柔らかな、そうしてきわめてわずかなうねり方は、ロシア舞踊に満足すると全然異なった方向において、我々の心に鋭い顫動(せんどう)を呼び起こしはしないか...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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