...柔らかな光をたたえながら...
芥川龍之介 「西郷隆盛」
...私は自分の生長が彼女の柔らかな胸の中に抱かれることによって成就したのを経験しているから...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...日ざしの柔らかな...
太宰治 「斜陽」
...すべて柔らかな純銀の紐で括(くく)られていた...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...戸棚や……そよそよと芝生を撫(な)でて来る柔らかな風がそのカーテンの裾(すそ)をなぶって...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...いい匂いのするふっくらと柔らかな両腕に抱きしめられた彼の頸筋は...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...ひどく人触りの柔らかな...
徳田秋声 「縮図」
...襞(ひだ)の広い柔らかなマントのように...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...柔らかなところに虱をのせて見た...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...それはいささかの芝居気もなく、平明枯淡な演奏ではあるが、柔らかな愛情と、ロマンティックな夢のうちに、そっと我らの心を押し包んでくれるからである...
野村胡堂 「楽聖物語」
...物柔らかな暮しと云うものは...
林芙美子 「新版 放浪記」
...あちこちにある柔らかな明かりが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...かつ葉は柔らかなれば温順な心情を表わしているともいえる...
牧野富太郎 「植物記」
...ナースチャ」柔らかな肢(あし)でも手でも...
「赤い貨車」
...女は気持ちの柔らかなのがいいのですよ」もうこんなふうに教え始めた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...貴女らしいとはいってもあまりに柔らかな性質は頼もしくないものであるとお考えになると...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ややほそ面の平凡な顔だちであるが、しもぶくれのふっくらとした顎(あご)と、受け口の、ひき緊った唇(くち)つきと、そして右の眼尻にある、かなり大きな黒子(ほくろ)とが、凛(りん)とした表情に、柔らかな、幾らか嬌(なま)めいた印象を与えていた...
山本周五郎 「竹柏記」
...人なつこい――柔らかな感じ...
吉川英治 「無宿人国記」
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