...天鵝絨の上にパステルで描いたやうな柔らかな朝...
江南文三 「佐渡が島のこと」
...何という柔らかな柔らかな蕩(とろ)けるような妻の声であったろう...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...戸棚や……そよそよと芝生を撫(な)でて来る柔らかな風がそのカーテンの裾(すそ)をなぶって...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...愛らしく結んだ唇なぞを眺めているうちに……クッキリと盛り上がった胸や柔らかな腰の線に見惚(みと)れて思わず手紙を書く手をやすめてしまいました...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...柔らかな愛情とがわれわれの魂までも和(なご)めてくれるだろう...
野村胡堂 「楽聖物語」
......
萩原朔太郎 「紫色の感情にて」
...フランツ・ホフマンと名乗る物柔らかな中年の紳士だった...
牧逸馬 「生きている戦死者」
...それは厚ぼったい柔らかな皮...
牧野富太郎 「アケビ」
...あとは柔らかな火山灰と火山礫(かざんれき)の層だ...
宮沢賢治 「グスコーブドリの伝記」
...女は気持ちの柔らかなのがいいのですよ」もうこんなふうに教え始めた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...柔らかなおおよう過ぎたほどの性質の人であったから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「人はここに物柔らかな・心地よい・自然簡素な・言葉づかいと...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...おちついた柔らかな口ぶりで...
山本周五郎 「風流太平記」
...小さな柔らかな髮飾をして...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...人なつこい――柔らかな感じ...
吉川英治 「無宿人国記」
...そうして柔らかな...
和辻哲郎 「偶像崇拝の心理」
...特に本尊阿弥陀のほのかに浮き出た柔らかな姿は...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...古代の墳墓に見られると同様なあの柔らかな円味を遺憾なく現わしている...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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