...ひどく人触りの柔らかな...
徳田秋声 「縮図」
...恐ろしく物柔らかな甘ったるい声をひっぱるように言った...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...柔らかな風になでられて起伏する...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...柔らかな光が彼を抱き包んだ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ひどく柔らかな調子でいった...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...日が沈んでいく時柔らかな深い深い青色の東方に向って...
中井正一 「美学入門」
...煙の如く模糊(もこ)たる音響――和声の柔らかな織物の上を...
野村胡堂 「楽聖物語」
...遥かな夢の柔らかなしかも鋭い芳香を運んで来る風の――強い風の圧力を...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...蒲鉾(かまぼこ)様に円く豆腐ごとく白浄な柔らかなもの故...
南方熊楠 「十二支考」
...その白い柔らかな岩の中から...
宮沢賢治 「銀河鐵道の夜」
...女は気持ちの柔らかなのがいいのですよ」もうこんなふうに教え始めた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...大将は和琴に特別な関心を持っていたが、それはなつかしい、柔らかな、愛嬌(あいきょう)のある爪音(つまおと)で、逆にかく時の音が珍しくはなやかで、大家のもったいらしくして弾くのに少しも劣らない派手(はで)な音は、和琴にもこうした弾き方があるかと大将の心は驚かされた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それは情に柔らかな作品であった...
柳宗悦 「民藝四十年」
...小さな柔らかな髮飾をして...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...その柔らかな目をそそいで...
吉川英治 「私本太平記」
...柔らかな翳(かげ)を持った溝が...
蘭郁二郎 「※[#「氓のへん/(虫+虫)」、第3水準1-91-58]の囁き」
...柔らかな衣の線の動き...
和辻哲郎 「偶像崇拝の心理」
...古代の墳墓に見られると同様なあの柔らかな円味を遺憾なく現わしている...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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