...すべっこく柔らかい無数の曲面が連なっていた...
江戸川乱歩 「影男」
...根元の柔らかい土をのぞきこんだ...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「予謀殺人」
...柔らかい牛肉も魚のさし身もろくにかめなくなり...
寺田寅彦 「自由画稿」
...柔らかい毛布にくるまって上には志んの持って来た着物をかけられ...
寺田寅彦 「病中記」
...亮のような柔らかい心臓と彼のような透明な脳とを同時にもって生まれるという事は...
寺田寅彦 「亮の追憶」
...其の為に袖口が捲れて太股の様な柔らかい肉付の腕が妖しい程真白い色に輝いて居ります...
西尾正 「陳情書」
...車は柔らかい雪の上を静かに馳(は)せ去ると...
プーシキン Alexander S Pushkin 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...搾木にでも架けられたやうな柔らかい痛さを...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...柔らかい帽子のふちにあたまをそろえているを見ながら...
室生犀星 「香爐を盗む」
...私より表は柔らかい輪郭と優しい目とをもっていることなども...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...柔らかい春早い草々の頭にはもはや先の美しい緑がもえていることを知った...
室生犀星 「津の国人」
...しまいに赤児の方で変に柔らかい乳首を厭がった...
室生犀星 「童子」
...そうお俊はそちらを向かずに言って何か心に柔らかいものの...
室生犀星 「童話」
...あぶらのように柔らかいからだが砂利の間にたらりと零れると...
室生犀星 「とかげ」
...柔らかい弾力のある躯が...
山本周五郎 「いさましい話」
...いつでも柔らかい香気のある葉が採(と)れる...
山本周五郎 「日本婦道記」
...柔らかい手の温(ぬく)みが蛇の肌を思わせてからんで来ました...
吉川英治 「江戸三国志」
...鋭き叫び声は消え失せて柔らかい静けさに変わっている...
和辻哲郎 「エレオノラ・デュウゼ」
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