...藍染川と、忍川の、晴れて逢っても浮名の流れる、茅町(かやちょう)あたりの借屋に帰って、吉原がえりの外套を、今しがた脱いだところ...
泉鏡花 「薄紅梅」
...藍染川の雲も次第に青く流れていよう...
泉鏡花 「薄紅梅」
...藍染川へ、忍川へ……流すは惜しい、桜の枝へ……」――桜の枝が、たよたよして、しずれ落ちに雪がさらさらと落ちて、巻きかけた一筋のその黒髪の丈を包んだ...
泉鏡花 「薄紅梅」
...市川菊之助(いちかわきくのすけ)、瀬川国十郎、沢村嘉右衛門(さわむらかえもん)、坂東市松(ばんどういちまつ)、坂田門之助、染川文七、最高幹部が、一様に、にこにこ笑ってこっちを見ている...
太宰治 「正義と微笑」
...住吉(すみよし)を移奉(うつしまつ)る佃島(つくだじま)も岸の姫松の少(すくな)きに反橋(そりばし)のたゆみをかしからず宰府(さいふ)は崇(あが)め奉(たてまつ)る名のみにして染川(そめかわ)の色に合羽(かっぱ)ほしわたし思河(おもいかわ)のよるべに芥(あくた)を埋(うず)む...
永井荷風 「日和下駄」
...根津の藍染川(あゐそめがは)...
永井荷風 「水 附渡船」
...団子坂下(だんござかした)から根津(ねづ)に通ずる藍染川(あゐそめがは)の如き...
永井荷風 「水 附渡船」
...後になってお新が殺されて死骸を藍染川(あいぞめがわ)に投(ほう)り込まれていたと聴いて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今朝死骸を藍染川から引揚げた時も...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...藍染川の溝縁から狭苦しい路地内へと鍵の手に建つた...
正岡容 「根津遊草」
...藍染川と団子坂との間の右側に...
宮本百合子 「菊人形」
...溝川だけが末は藍染川になつて流れるのであるが...
室生犀星 「星より來れる者」
...染川まことに小流なり...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...」染川の条には歌が四首引いてある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...「染川を渡らむ人のいかでかは色になるてふことのなからむ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...「老の波むかしにかへれ染川や色になるてふ心ばかりも...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...藍染川(あいそめがわ)のお歯黒のような水の流れ込む不忍(しのばず)の池の北側を廻って...
森鴎外 「雁」
...死を決して志染川(しそめがわ)を徒渉(としょう)し...
吉川英治 「新書太閤記」
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