...藍染川と、忍川の、晴れて逢っても浮名の流れる、茅町(かやちょう)あたりの借屋に帰って、吉原がえりの外套を、今しがた脱いだところ...
泉鏡花 「薄紅梅」
...藍染川へ、忍川へ……流すは惜しい、桜の枝へ……」――桜の枝が、たよたよして、しずれ落ちに雪がさらさらと落ちて、巻きかけた一筋のその黒髪の丈を包んだ...
泉鏡花 「薄紅梅」
...猛然として、藍染川、忍川、不忍の池の雪を思出すと、思わず震える指で、毛筋を引けば、手繰れば、扱(しご)けば、するすると伸び、伸びつつ、長く美しく、黒く艶やかに、芬(ぷん)と薫って、手繰り集めた杯の裡(うち)が、光るばかりに漆を刷(は)く...
泉鏡花 「薄紅梅」
...入力:門田裕志校正:染川隆俊2006年9月21日作成青空文庫作成ファイル:このファイルは...
泉鏡花 「海神別荘」
...団子坂下(だんござかした)から根津(ねづ)に通ずる藍染川(あゐそめがは)の如き...
永井荷風 「水 附渡船」
...藍染川(あいぞめがわ)に叩き込まれて居ましたよ」平次は思わず立上りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今朝死骸を藍染川から引揚げた時も...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...藍染川(あゐぞめがは)に落ちて死んでゐるんで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...藍染川と母たちがよんでいたその石橋のところが...
宮本百合子 「菊人形」
...染川氏は屯所の方だね? (遊二のうなずくのを見て右手へ急いで去る)(間...
三好十郎 「斬られの仙太」
...」私はかっとし、夕方、瓶をさげ、八幡さまの垂れた緑の重い枝の下をぬけ、藍染川の上手の、二年ばかり前まで黍(きび)の葉の流れていた下田端へでたが、泥濘(ぬか)った水溜りに敷き込んだ炭俵(すみだわら)の上を踏むと、ずぶりと足の甲へまで泥水が浸った...
室生犀星 「童子」
...溝川だけが末は藍染川になつて流れるのであるが...
室生犀星 「星より來れる者」
...染川まことに小流なり...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...「染川を渡らむ人のいかでかは色になるてふことのなからむ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...「老の波むかしにかへれ染川や色になるてふ心ばかりも...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...「隼人はそう思うか」――小染川...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...糸染川(いとぞめがわ)と神仙川(しんせんがわ)の合流(ごうりゅう)するところで...
吉川英治 「神州天馬侠」
...志染川の畔(ほとり)も...
吉川英治 「新書太閤記」
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