...絵の具箱を片付けるころには夕日が傾いて廃墟のみぎわの花すすきは黄金の色に染められた...
寺田寅彦 「写生紀行」
...使い残りの紅皿を姉にねだって口のはたを染めながら皿のふちに青く光る紅を溶(とか)して虻(あぶ)や蜻蛉(とんぼ)の絵をかいた...
中勘助 「小品四つ」
...屋根の瓦(かわら)は苔で青く染められている...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...相当の形に染め上げ...
中里介山 「大菩薩峠」
...紅(べに)がらの粉で真赤に染めたのを中に押立てて...
中里介山 「大菩薩峠」
...自ら何んの色なきに種々に木の葉を染めるとは実に奇妙な力である...
新渡戸稲造 「教育家の教育」
...何處で染めたか突き止めてくれ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...浅黄(あさぎ)の暖簾(のれん)に鎌輪奴(かまわぬ)と染め出した入口...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...白無垢を紅に染めるでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...浴衣(ゆかた)に染めた源氏車(げんじぐるま)が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...4例は中間色のブラウンシュヴァイク緑で染められていた...
アーサー・ヒル・ハッサル Arthur Hill Hassall, M.D. 水上茂樹訳 「食品とその混ぜ物処理」
...菊石面(あばたづら)を真赤に染めている源十が...
火野葦平 「花と龍」
...昔は衣に摺り付けてそれを赤色に染めた事を上の歌が証明しているのは面白い...
牧野富太郎 「植物記」
...向いの小島へ落ちる夕日は極楽の光のように空を染めていた...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...数学史に指を染めるほどの人ならば...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...ちょうど浅葱色(あさぎいろ)の袷(あわせ)に紋(もん)の染め抜(ぬ)いてある辺である...
森鴎外 「佐橋甚五郎」
...この花の紅い汁液で爪を染める風は...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...鳩の羽を色色(いろいろ)に染めたのを附けた物などが盛(さかん)に行はれる...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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