...夏蜜柑のやうな痘痕面(あばたづら)をした少将の後には...
薄田泣菫 「手品師と蕃山」
...貰い物の果物の中に病人の好きな伊豫柑(いよかん)があったので...
谷崎潤一郎 「鍵」
...粟の岩(マヽ)、焼栗、メリヤス、うどんそば、密(マヽ)柑、等々の店の間を人にもまれて歩く、天満宮に参拝して、いろ/\の見世物小屋の間をくゞつて、お山で休む、酒垂山は天然の公園だ、一歩一歩に少年時代の夢がよみがへる、あゝ時は過ぎ行く、過去はなつかしい、あの頃の私は……霊台寺に詣でる、山茶花がうつくしい、饅頭を買うて食べる、これも少年時代の私をおもひださせる...
種田山頭火 「其中日記」
...密柑をひっくりかえしたり...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「青玉の十字架」
...蜜柑(みかん)やバナナが山のやうに積んであつて...
土田耕平 「お母さんの思ひ出」
...蜜柑(みかん)を買つて宿へ戻つた...
林芙美子 「浮雲」
...入口の戸があいていてトバ口に蜜柑の籠がつんだしてある...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...わたしが、黒石の養子に行けば、蜜柑を全部、四で、引きとってくれるというんですね?」「そのとおり」「四で、値引きを一つもせず、即金で払ってくれるというんですね?」「そのとおり」「よろしい...
火野葦平 「花と龍」
...その時ふと彼は故郷の蜜柑(みかん)の木を思い出した...
北條民雄 「いのちの初夜」
...照子と蜜柑山の方へ散歩に出かけた...
牧野信一 「或る日の運動」
...いつも蜜柑山の天辺(てつぺん)で...
牧野信一 「肉桂樹」
...支那の南方の蜜柑は甘味が多いというほどの差がある...
正岡子規 「くだもの」
...浪ぎはへ蔦はひ下りる十余丈根府川(ねぶかわ)近辺は蜜柑(みかん)の名所なり...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...きっちり片づいた卓子の上に一つころりとのって居る夏蜜柑に溢れるように澄んだ朝日がさして居た...
宮本百合子 「木蔭の椽」
...蜜柑(みかん)の木の枯葉を庭の砂の上に吹き落して...
森鴎外 「独身」
...柑子の実(み)は空(から)だった...
吉川英治 「三国志」
...柑子坂(こうじざか)を...
吉川英治 「宮本武蔵」
...蜜柑」「も一つ喰べない」「もう...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??