...さうしてその上に乱落する鮮(あざやか)な蜜柑の色と――すべては汽車の窓の外に...
芥川龍之介 「蜜柑」
...政府では外国産の果物(フルウト)を無税にしたといふので蜜柑や...
薄田泣菫 「茶話」
...樽(たる)の中(うち)に寐転(ねころが)って蜜柑(みかん)や...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...お餅(もち)と蜜柑(みかん)を持って来てくれる...
太宰治 「正義と微笑」
...蜜柑(みかん)畑...
太宰治 「HUMAN LOST」
...紙くづや蜜柑(みかん)の皮がちらばつてゐるきりでした...
土田耕平 「のぞき眼鏡」
...この網袋入りの蜜柑の印象が強烈である...
寺田寅彦 「西鶴と科学」
...今も、庭の真中の、陽当の一番良ささうな所を彼らしくだだ広く掘返して、葱一株、玉葱一株、花の咲いた日野菜一本、小さな蜜柑、梅、枇杷、団栗の木が一本づつ植つてゐる...
外村繁 「打出の小槌」
...蜜柑(みかん)の籠(かご)を出した...
夏目漱石 「三四郎」
...静心夜が更けて遠くで鷄が鳴いてゐる明日はこれでお米を買ひませう私は蜜柑箱の机の上で匂ひやかな子供の物語りを書いたのですもしこれがお金になつたならば私の空想は夜更けの白々した電気に消へてしまふのです私は疲れて指を折つて見ました二日も御飯を食べないのでとても寒くてホラ私の胃袋は鐘のやうにゴオンゴオンと鳴つてゐます...
林芙美子 「蒼馬を見たり」
...店先の蜜柑もあたたかい色になつて...
林芙美子 「小さい花」
...伊予蜜柑の産地として...
火野葦平 「花と龍」
...蜜柑を食べてやれ...
牧野信一 「ダイアナの馬」
...ゆえに我邦蜜柑類の専門大家で最も信頼すべき知識を豊富に持っていた田村利親氏は特にこれをヤマトタチバナと称していたが...
牧野富太郎 「植物記」
...貯えた蜜柑の皮に光沢があって...
正岡子規 「くだもの」
...遣(や)ってみ給え」客「色々ドウも忙がしくって食べ切れない」と頭を挙ぐる暇(いとま)もなきにお登和嬢が台所へ往(ゆ)きてチョコレートと蜜柑(みかん)のジャムを持ち来たる「小山さん...
村井弦斎 「食道楽」
...「お家(うち)のうしろに蜜柑なんかいつぱい実つてゐて私だつて採れるのよ...
室生犀星 「ザボンの実る木のもとに」
...二人でいっしん同躰になって育てるから蜜柑が生(な)るんだ...
山本周五郎 「青べか物語」
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