...その懷(ふところ)に藏(ざう)してゐた幾顆(いくくわ)の蜜柑(みかん)を窓(まど)から投(な)げて...
芥川龍之介 「蜜柑」
...そこには蜜柑函らしいものが転がっていた...
海野十三 「生きている腸」
...函は蜜柑函(みかんばこ)ぐらいの大きさで...
海野十三 「幽霊船の秘密」
...蜜柑は生命拾(いのちびろ)ひをしたのが嬉しさうに...
薄田泣菫 「茶話」
...蜜柑を掌面に載せておいて...
薄田泣菫 「茶話」
...男の児の剥いた蜜柑の皮が火燵の周囲に二つ三つ散らばつて居た...
田山花袋 「子供と旅」
......
内藤鳴雪 「鳴雪句集」
...三造の買ってきた夏蜜柑はうまくなかった...
中島敦 「斗南先生」
...蜜柑(みかん)箱の机に向ってまた仕事...
林芙美子 「新版 放浪記」
...その時ふと彼は故郷の蜜柑(みかん)の木を思い出した...
北條民雄 「いのちの初夜」
...長閑な小春日和の野山である――酸つぱい蜜柑――戯れ――娘の頬をつねるといふ(決して...
牧野信一 「ダイアナの馬」
...今の十二円は蜜柑が五ツか六ツしか買えませんが当時の十二円は大したもので...
三浦環 「お蝶夫人」
...)それからこの柑子もお前に遣る...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「家常茶飯」
...鼻は蜜柑(みかん)の皮のように穴だらけだし...
山本周五郎 「季節のない街」
...」蜜柑の枝は、訶和郎の唇から柘榴(ざくろ)の粒果(つぶ)のような血が滴(したた)る度ごとに、遠ざかる松明の光りの方へ揺らめいた...
横光利一 「日輪」
......
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...陽にかがやいて蜜柑は降る...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...土肥は斯うした櫟林や、蜜柑畑や、枇杷の畑のある小山を北から東にかけて背負うて、西また南に海を受けた僅かの平地の土地なのです...
若山牧水 「樹木とその葉」
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