...大勢のうたう歌がきこえる)日の門から風が吹くさびしい心の人に風がふくさびしい心の人が枯れるそのときどこかでフェヤリイが踊るしろい足を輪に踏みしろい手を空に振って老人(としより)もうつくしくかしこいものもたのしく物いう国があると笑いささやきうたう風をフェヤリイは聞くクラネの蘆がいう風がわらいささやき歌うときさびしい心の人が枯れる――幕――...
ウイリヤム・バトラ・イエーツ 松村みね子訳 「心のゆくところ(一幕)」
...此灰が觸れると忽ち葉が枯れると申しまする...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...雨が降つても枯れる...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...・糸瓜やうやく花つけてくれた朝ぐもりをのれにひそむや藪蚊にくんだりあはれんだりして・蝉時雨もう枯れる草がある・昼しづかな焼茄子も焼けたにほひ・けふまでは生きてきたへそをなでつつ・はひまはつた虫は見つけた穴にはいつた・へちまよ空へのぼらうとする七月廿四日ようねむれた...
種田山頭火 「行乞記」
...・煙幕ひろがつてきえる秋空・突撃しようす(マヽ)る空は燕とぶ・タンクがのぼつてゆくもう枯れる道草・鉄兜へ雑草のほこりがふく改作追加・はてしない旅もをはりの桐の花・晩の極楽飯...
種田山頭火 「行乞記」
...伸び茂るもの、立ち枯れるもの、他物に絡みつくもの、みな自然にそうなっていた...
豊島与志雄 「山吹の花」
...重役共が、己のために、斉興を立てて――父の命が、何年あると思うか? それだけの間小康を得て、何になるか?――兄の仕事を、こわして、それで、兄の蒔いた種までが、枯れるとでも、考えているのか?)久光は、重役とか、上士とかの人々の、あせり方と、軽輩が、斉彬の死後、何一ついわず、何一つせず――そして、ひそかに、脱藩して、京師へ、江戸へ、行くのを見ていると(世の中も、ちがってきたが、お国風もちがってきた)と、感じない訳には、行かなかった...
直木三十五 「南国太平記」
...へちまはただぶらりと枯れる日を待っているように見える...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...陽気が枯れるところに罪悪が宿る...
中里介山 「大菩薩峠」
...今日は枯れるかと思って...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...燕燕の母(かか)さん洒落母さんそろひの簪(かんざし)買つてやろ牛乳屋(ちちや)の表に遊んでた母さん燕は洒落母さんトマト畑雨降り雲はなぜ来ないトマト畑がみな枯れるトマト畑に太陽(おひさま)はじりりじりりと照らしてる雨降り雲はなぜ来ないトマト畑がみな枯れるトマト畑の百姓は赤いトマトを眺めてる...
野口雨情 「十五夜お月さん」
...とりかえてあげますわ」「この花の枯れるまでは...
火野葦平 「花と龍」
...しかしこの盛な蝉の声も実は草枯れる秋の季節の訪れを立証する外の何物でもないといふので...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...外側の葉の枯れるのをはがすと内へ内へとキャベジのように新しくなって行って...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...温かさなくば、心は枯れる...
柳宗悦 「工藝の道」
...植物にこの水を与えると枯れるという...
横光利一 「欧洲紀行」
...冬になると草木と共に毛艶(けづや)が枯れるように覚えます...
吉川英治 「三国志」
...信長の攻めるところは草木も枯れる――と恐れられたその人の冥福の営みをいまなそうとするに当って...
吉川英治 「新書太閤記」
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