...お前の心が狂ひ立つて自分の子を自分で殺すかもしれないお前自身の手で青年お前はここに来るものすべてをおどかして追ひ払ふためにここに置かれてゐるのかお前はその枯葉や枯枝と同じやうにひからびて生にすこしの部分もないやうに見える(少女また鷹の叫び声をする)あの声!またあの声がする...
ウイリヤム・バトラ・イエーツ 松村みね子訳 「鷹の井戸(一幕)」
...女人をして惚々(ほれぼれ)させないではいない有名なる巨躯紅肉(きょくこうにく)が棒鱈(ぼうだら)のように乾枯(ひか)らびて行くように感ぜられるに至ったので...
海野十三 「奇賊悲願」
...みんな死んだり枯(か)れたりしてしまいます」「それはたいへんですね...
海野十三 「ふしぎ国探検」
...枯菰(かれこも)の中のつめたい水に影を落している...
寺田寅彦 「森の絵」
...益枯淡虚靜の域にはひつて行つたやうである...
中島敦 「名人傳」
...お秋さんは兩足を延して左を枯木へ乘せて居る...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...わずかに半分ほどの高さに折れ残った円柱が石筍の如く立ち枯れてるような有様で...
野上豊一郎 「パルテノン」
...山の上にあったたった一つの井戸は大した役には立たず大火を焚(た)くために、役人の指図で用意した手桶の水も、間もなく尽きてしまいましたが、多勢の熱心に助けられたのと、燃え草が枯柴で、他愛もなく燃えきってしまったので、四方(あたり)が雀色(すずめいろ)になる頃までには、どうやらこうやら火を消してしまって、平次と八五郎は、掛り同心永村長十郎、土地の御用聞三河島の浅吉等と一緒に、焼跡の護摩壇に検屍(けんし)の足を踏込んだのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あたりに立っている枯木などの配置とともに...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...枯木の倒れるようになくなった...
正岡容 「小説 圓朝」
...ただ枯野の月とばかりにては単純に過ぎて俳句になりがたきがためなり...
正岡子規 「俳諧大要」
...壁の穴に零余子(むかご)の蔓(つる)はこぞのままの枯れ葉をつけて...
室生犀星 「荻吹く歌」
...この寒藤清郷は痩せても枯れても国士だ...
山本周五郎 「季節のない街」
...まるで枯枝でも折るような...
山本周五郎 「ちいさこべ」
...草木も枯れる概がある...
吉川英治 「新書太閤記」
...信長の攻めるところは草木も枯れる――と恐れられたその人の冥福の営みをいまなそうとするに当って...
吉川英治 「新書太閤記」
...ここから少し離れている枯草のあいだに...
吉川英治 「宮本武蔵」
...立枯の楢の打続いた暮坂峠の大きな沢に出た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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