...つい今しがたまで背戸山の森は木枯(こがらし)に鳴っていたのである...
伊藤左千夫 「新万葉物語」
...玉太郎はおどろいて枯葉の寝床のうえにすっくと立ち上った...
海野十三 「恐竜島」
...痩(や)せても枯れても武士のはしくれ...
太宰治 「新釈諸国噺」
...枯枝を拾いて砂に嗚呼(ああ)忠臣など落書すれば行き来の人吾等を見る...
寺田寅彦 「東上記」
...あとは苅り残されの枯尾花(かれおばな)や枯葭(かれよし)の二三本...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...枯枝や松毬(まつかさ)を拾い集め...
永井荷風 「葛飾土産」
...向嶋(むこうじま)の百花園(ひゃっかえん)などへ行っても梅は大方枯れていた...
永井荷風 「葛飾土産」
...さすがの辰巳(たつみ)も霜枯れ同様寂れきっておりやした...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...枯枝に止つて居た一羽はこちらを見おろして居たが遂におりては來なかつた...
長塚節 「鉛筆日抄」
...「はあえゝえゝえゝ」とぼうと太(ふと)い聲(こゑ)で唄(うた)ひ出(だ)して「枯芝(かれしば)あえにいゝゝゝゝえゝ...
長塚節 「土」
...猿のすむ枯木などには山の気がただよっており...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...兼齋(けんさい)といふのは七十を越した枯木のやうな老人で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...このあたりの痩せ枯れた地味にくらべると...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...ラヂオは大正十一年頃の流行唄だと云つて「私もお前も枯すゝき」といふ唄を唄つてゐた...
正宗白鳥 「月を見ながら」
...枯涸と酔生夢死から人間の女として覚醒させる者として...
宮本百合子 「傷だらけの足」
...先刻(さっき)から枯柳の幹に倚(よ)りかかって...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その寒巌枯骨ともいえるような細ッこい老躯の中には...
吉川英治 「宮本武蔵」
...汀から急に深くなった水中の枯木の幹や枝には藻草が青く纏っていた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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