...我等は現實を離れて藝術のみの中に孤立しようとする人達の生涯にこの類の果敢なさを認めずにはゐられない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...卓抜果敢な方策を強行せねばならぬ...
石原莞爾 「最終戦争論」
...果敢な邸内着陸を敢行した...
海野十三 「地球盗難」
...馬車を待つ餘裕あるにつれて、傘を買ふか、買ふまいかと思案し、遂に買ふと決心して、番傘を買ひたるが、果敢なや、人間の智慧の一寸先は闇、馬車未だ沼田に著かざる前に、天氣は快晴となりたり...
大町桂月 「上州沼田より日光へ」
...果敢ない望みを抱く時は...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...誠に短かい間の果敢ない夢であつた...
高濱虚子 「俳諧師」
...人生の本末の果敢なさ...
高山樗牛 「一葉女史の「たけくらべ」を讀みて」
...いつも従弟の顔を見るとその男らしい果敢な気風にかぶれるせいか...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...燃えるような果敢な眼とをもっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
......
長塚節 「長塚節歌集 下」
...それにも拘らず私はおいよさんに対して前後に此の時程果敢ない思をしたことがない...
長塚節 「隣室の客」
...有限の果敢ない生活をするところの...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...されば田原がことの果敢なき筋より出でゝ...
樋口一葉 「花ごもり」
...俄然戦時体制に入ったような凛烈果敢な風貌になった...
久生十蘭 「魔都」
...人生の淙々茫々なる美麗と果敢なき夢の深潭こゝに極まれり...
牧野信一 「坂口安吾君の『黒谷村』を読む」
...とても果敢ない恋のやうなこともあつたが...
牧野信一 「籔のほとり」
...けれども久保田君にとつては――同君自身の幸福なる結婚は別として――世上の戀は遂に果敢ない夢に等しい...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...その憧憬も夢想も見る間に果敢なく破れ去つてしまふ事をよく知つてゐる...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
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