...勞働に妨げられて内から湧く問題を抑へつけるから自分が果敢なくなる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...さうして現實の中に生きて夢といふ果敢ないものを護るの努力は要するに烈風の前に裸火を護らうとするにも似た果敢ない努力である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...この哀れ果敢なき葬列の声無く練り来るを見て...
石川啄木 「葬列」
...しかも勇猛果敢な探偵ぶりを見せた青年探偵帆村荘六も...
海野十三 「蠅男」
...果敢ない望みを抱く時は...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...そこでは虚栄に満ちた人が自分の小さな果敢ない権勢をたのんで...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...助手看護兵マリが勇猛果敢な行動に打ち出て...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...その果敢な進取性と才能とに惚れて描寫したやうな部分と...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...二階で果敢ない姿を見た時とは違つて手を携へて散歩するのは有繋に愉快であつた...
長塚節 「開業醫」
...何處までも大儀相な果敢ない姿である...
長塚節 「旅の日記」
......
長塚節 「長塚節歌集 下」
...それにも拘らず私はおいよさんに対して前後に此の時程果敢ない思をしたことがない...
長塚節 「隣室の客」
...影なれば果敢なき姿を鏡にのみ見て不足はなかろう...
夏目漱石 「薤露行」
...夏草の上に置ける朝露よりも哀れ果敢なき一生を送った我子の身の上を思えば...
西田幾多郎 「我が子の死」
...今日の果敢なき憂愁を捨て飛べよかし! 飛べよかし!明るき四月の外光の中嬉嬉たる群集の中に混りてふたり模擬飛行機の座席に乘れど君の圓舞曲(わるつ)は遠くして側へに思惟するものは寂しきなり...
萩原朔太郎 「氷島」
...何んなことを書き散らしたかしら? と思つて見ても思ひ出すことは出来ないやうな果敢ないものばかりだつた...
牧野信一 「冬の風鈴」
...雄勁果敢なおもむきに我を忘れて見惚れていた...
横光利一 「旅愁」
...本国寺から七条道場(しちじょうどうじょう)(金光寺(きんこうじ))のあいだの戦闘で驚くべき果敢な働きを示したのである...
吉川英治 「黒田如水」
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