...根も葉もない幻想の翫弄物になつて腐り果てる自分ではないか...
有島武郎 「幻想」
...真夏などは暫時(しばらく)の汐の絶間(たえま)にも乾き果てる...
泉鏡花 「海の使者」
...辛辣な農商務省攻撃はいつ果てるとも知れなかった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...その青田の果てるあたりに私のうちの赤い大屋根が聳えてゐた...
太宰治 「思ひ出」
...無実の罪にて相果てるのが無念でならぬ...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...剣で果てるのだから切腹が当然だが...
中里介山 「大菩薩峠」
...狂人になつて果てる...
林芙美子 「玄關の手帖」
...仕舞(しまい)には如何(どう)云うようになり果てるだろうかと思(おもっ)て...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...この道の果てるところまで...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...その果てるのを欲したりしてはならない...
堀辰雄 「心の仕事を」
...一日の仕事で疲れ果てるので...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...その生みかけた自分をも八つ裂きにして果てる「愚」を...
三好十郎 「恐怖の季節」
...ざつとこんな事で果てるんですねえ」國友の聲に嘘のものではない深い自嘲の調子があつた...
三好十郎 「肌の匂い」
...「山師は山で果てる」言葉通りの死を痛みつつも...
百瀬慎太郎 「案内人風景」
...夫人は千曲川に身を投じて果てるなどという...
吉川英治 「上杉謙信」
...すべては観世音菩薩の御庇護(ごひご)であったのでございましょう……」それからそれへ話は果てる模様(もよう)もなかったのである...
吉川英治 「私本太平記」
...いつどこの戦野で果てるかもわからない...
吉川英治 「新書太閤記」
...疲れ果てるまで跳(と)びまはり升(まし)たあとで...
若松賤子 「黄金機会」
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