...この近傍に住する教育家が、文明の今日、怪物などとは片腹痛しとてこれが調査に出かけしに、果たせるかな、お化けにあらず、榎(えのき)の古株の多年地中にうずもれしが、このごろ掘り出だされしために、燐光(りんこう)を放ちしものなることが判明せりとぞ...
井上円了 「おばけの正体」
...果たせるかな、今夜も鼠は暴れだした...
正岡容 「寄席」
...或る日、町の印章店の前を通るついでに何気なしにそこのショーウィンドをのぞくと、果たせるかな、そこには最早(もはや)、ゴム製の米兵向きにできたナンバースタンプの見本が飾られてあつた...
宮地嘉六 「老残」
...果たせるかな、その時刻になると、霜の降りたせいかほの白く冴えた袋地の一端に、ぼッと、三ツの黒衣(くろご)が立っている...
吉川英治 「江戸三国志」
...果たせるかな、太史慈は、三千の味方を誘って、時も違えず、彼方の野末(のずえ)から、一陣の草ぼこりを空にあげて帰って来た...
吉川英治 「三国志」
...果たせるかな、変があらわれた...
吉川英治 「三国志」
...かならず何かいい事がありましょう」果たせるかな...
吉川英治 「三国志」
...果たせるかな、やがて陣鼓堂々、斜谷に拠っている敵方の一軍が平野へ戦列を布いたかと思うと、ただ一騎、その陣列を離れて、「玄徳はいるか...
吉川英治 「三国志」
...司馬仲達の急ぎに急いでいた理由は、果たせるかな、孔明がおそれつつも予察していたところと、まったく合致(がっち)していたのである...
吉川英治 「三国志」
...果たせるかな、魏は、「時到る」とこれを見ていた...
吉川英治 「三国志」
...果たせるかな島外へ去った成田...
吉川英治 「私本太平記」
...果たせるかな山上から...
吉川英治 「新書太閤記」
...果たせるかな、信雄は、秀吉軍のしっぱらい細川忠興(ほそかわただおき)と、途上に戦って、一どは優勢に見えたが、たちまち撃破され、かれにとって大事な家臣の、大槻助右衛門(おおつきすけえもん)を討死させ、またその他の家臣をおびただしく失った...
吉川英治 「新書太閤記」
...果たせるかな、その日は来た...
吉川英治 「新書太閤記」
...果たせるかな、柴進は以後、獄中につながれ、故人皇城(こうじょう)の邸館とその名園は、そっくり門の相(すがた)を変え、“官没”の名のもとに、今では奉行高廉(こうれん)の別荘になっているという...
吉川英治 「新・水滸伝」
...果たせるかな、勢至丸は、やがて後の法然上人となった...
吉川英治 「親鸞」
...「――やっ?」「――や?」「――や? 奇態な奴」果たせるかな...
吉川英治 「宮本武蔵」
...果たせるかな...
吉川英治 「宮本武蔵」
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