...この近傍に住する教育家が、文明の今日、怪物などとは片腹痛しとてこれが調査に出かけしに、果たせるかな、お化けにあらず、榎(えのき)の古株の多年地中にうずもれしが、このごろ掘り出だされしために、燐光(りんこう)を放ちしものなることが判明せりとぞ...
井上円了 「おばけの正体」
...果たせるかな、今日の氏の活躍はあの通りである...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...そこに果たせるかな弾痕があった!」「ですが...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「踊る人形」
...果たせるかな、がたりとはげた...
永井隆 「長崎の鐘」
...そこでこッそり単独で穴ぐらを覗きに行ってみると、果たせるかな、もう先に来たやつが砂糖や煙草に手をつけて、はッきりと減っている...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
...果たせるかな、一歩、摂津に入ると、険(けわ)しいものが往来の者にも感じられる...
吉川英治 「黒田如水」
...果たせるかな、大小の敵の旌旗(せいき)が吹きなびいている城壁上の一角――西門の上あたりに一旒(りゅう)の白い大旗がひるがえっていた...
吉川英治 「三国志」
...果たせるかな、翌日午の刻の頃おいから、江上一帯に風波が立ちはじめた...
吉川英治 「三国志」
...果たせるかな、魏は、「時到る」とこれを見ていた...
吉川英治 「三国志」
...果たせるかな、それから一刻余(ときよ)の後、さらに夜半にかけてまで、鎌倉中の大地が馬蹄や人跫(じんきょう)に鳴った...
吉川英治 「私本太平記」
...――六波羅ノ庁では、かねがね宮中に隠密として入れてある者をして、入念にさぐらせてみると、果たせるかな、世のつねの加持祈祷でないことがほぼ判明したとある...
吉川英治 「私本太平記」
...果たせるかな島外へ去った成田...
吉川英治 「私本太平記」
...果たせるかな、勝頼の予感はやはり中(あた)っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...果たせるかな滝川勢は...
吉川英治 「新書太閤記」
...果たせるかな、信雄は、秀吉軍のしっぱらい細川忠興(ほそかわただおき)と、途上に戦って、一どは優勢に見えたが、たちまち撃破され、かれにとって大事な家臣の、大槻助右衛門(おおつきすけえもん)を討死させ、またその他の家臣をおびただしく失った...
吉川英治 「新書太閤記」
...果たせるかな、その日は来た...
吉川英治 「新書太閤記」
...果たせるかな、勢至丸は、やがて後の法然上人となった...
吉川英治 「親鸞」
...はっと思いながら武蔵が岩につかまりながら下を覗(のぞ)くと、果たせるかな、声を投げて仰向いている眼はあの時の眼であった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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