...林泉をつゝんだ暗がひつそりと聲を呑んで...
芥川龍之介 「地獄變」
...林泉幽邃の地に読むのとではおのづから異なる味がある...
市島春城 「読書八境」
...何人も林泉の境を喜ぶ...
市島春城 「読書八境」
...ある女は小波(さざなみ)の立つ泉のほとりに憩い……さながら林泉に喜戯する森の女神(ニンフ)の群れと題する古名画の一幅の前に佇むがごとき思いであった...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...山野林泉に於ては...
豊島与志雄 「「自然」」
...「山門の交衆(きょうしゅ)をのがれて林泉のうちに幽かに栖(す)んでいることは静かに仏道を修し...
中里介山 「法然行伝」
...「……越後国頸城(けいせい)郡林泉寺村真日山林泉寺に馬頭観音と祭られたる法性月毛の十寸六寸(ときろくすん)にあまる名馬に打ち跨り……」カチカチカチカチン...
正岡容 「小説 圓朝」
...都人の林泉にはないこうした広い風景を見捨てて帰りがたく思召されるのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「移住林泉新賜第...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...記得林泉清且嘉...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...僧は林泉寺(りんせんじ)の宗謙(そうけん)であったが...
吉川英治 「上杉謙信」
...その導師は林泉寺七世の宗謙だったのである...
吉川英治 「上杉謙信」
...たれやらの詩に――林泉(リンセン)市(イチ)ニ近ウシテ幽ハ更ニ幽ナリ――という句があった」「お奉行...
吉川英治 「大岡越前」
...林泉に蝉の啼く山をもつだけのものになり終つた...
吉川英治 「折々の記」
...主の劉恢(りゅうかい)のいる棟やその家族らの住む棟の燈火は林泉をとおして彼方に見えるのであった...
吉川英治 「三国志」
...閑(しず)かな林泉に耳を洗われた...
吉川英治 「私本太平記」
...古図に見える林泉や大杉は面影もない...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...叡山(えいざん)の法燈鳥語もまだ寒い木(こ)の芽時(めどき)を――ここ無動寺(むどうじ)の林泉(りんせん)は寂(じゃく)として...
吉川英治 「宮本武蔵」
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