...林泉幽邃の地に読むのとではおのづから異なる味がある...
市島春城 「読書八境」
...(八)林泉も亦読書の一境である...
市島春城 「読書八境」
...林泉の美をひかへたり...
大町桂月 「東京の近郊」
...ある女は小波(さざなみ)の立つ泉のほとりに憩い……さながら林泉に喜戯する森の女神(ニンフ)の群れと題する古名画の一幅の前に佇むがごとき思いであった...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...林泉ノ勝ニ名アリ...
永井荷風 「上野」
...林泉(りんせん)のさま見事なる料理屋の座敷に尾上松助(おのえまつすけ)胡弓(こきゅう)の調子を調べつつ三絃(さんげん)手にせる芸者と居並び女形(おんながた)の中村七三...
永井荷風 「江戸芸術論」
...「裏の国では、あれを大蓮華山(だいれんげさん)と申します、こちらではシロウマと申します、それを、今では誰が言いならわしたか、ハクバヶ岳(たけ)が通り名になってしまいました」お花畑を出でると、雪の渓間(たにま)がある、林泉がある、見慣れない獣(けもの)が、きょとんとして、こちらを向いている...
中里介山 「大菩薩峠」
...「山門の交衆(きょうしゅ)をのがれて林泉のうちに幽かに栖(す)んでいることは静かに仏道を修し...
中里介山 「法然行伝」
...「文藝林泉」讀後の慌しい感想を書き取つて置いた...
堀辰雄 「「文藝林泉」讀後」
...山手の家は林泉の美が浜の邸(やしき)にまさっていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...都人の林泉にはないこうした広い風景を見捨てて帰りがたく思召されるのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...林泉に踞して亦垂鉤の境に蹲むと一般であろう...
室生犀星 「庭をつくる人」
...林泉奥深うして水碧(あお)く砂白きほとり...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...後、彼は、凱旋(がいせん)すると、微服(びふく)して、林泉寺に入り、親しく宗謙禅師に参見(さんけん)し、以来、学ぶこと深かったという...
吉川英治 「上杉謙信」
...たれやらの詩に――林泉(リンセン)市(イチ)ニ近ウシテ幽ハ更ニ幽ナリ――という句があった」「お奉行...
吉川英治 「大岡越前」
...いや、古いことばにも、林泉、市ニ近ウシテ、幽サラニ幽なんて洒落れたことばがあるのを引いて、北京の茶館の聯に懸けてあるのを見たことがある...
吉川英治 「折々の記」
...林泉に蝉の啼く山をもつだけのものになり終つた...
吉川英治 「折々の記」
...叡山(えいざん)の法燈鳥語もまだ寒い木(こ)の芽時(めどき)を――ここ無動寺(むどうじ)の林泉(りんせん)は寂(じゃく)として...
吉川英治 「宮本武蔵」
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