...向こうの板庇(いたびさし)の下へはいる...
芥川龍之介 「偸盗」
...時雨がはらはらと軒の板庇を叩いて通りました...
薄田泣菫 「利休と遠州」
...外には程近い山王台(さんのうだい)の森から軒の板庇(いたびさし)を静かにそそぐ雨の音も佗しい...
寺田寅彦 「やもり物語」
...微(かす)かな痕(あと)をまだ板庇(いたびさし)にからんでいる...
夏目漱石 「草枕」
...「親分、怪物(えてもの)は隣の天水桶(てんすいおけ)を踏台にして、庇(ひさし)を渡って二階へ押し込んだんだね」とガラッ八、天水桶の埃(ほこり)の上に印された足跡のようなものや、板庇に残る、破損の跡などを念入りに調べております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...右手の長屋の板庇(いたびさし)の上を指しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...天窓をコジ開けて入っているんだ」「ヘエ――」「板庇が毀(こわ)れて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...天窓をコジ開けて入つて居るんだ」「へエ――」「板庇が毀(こは)れて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...洒落れた板庇(いたびさし)が朽(く)ち果てて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...板庇(いたびさし)に人の踏んだ跡があるか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この上もなくデリケートな板庇の上に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...板庇の上、窓とスレスレのあたりに、頭の上へ伸びた青桐の大枝から、一本の丈夫さうな綱が、これを傳はつて降りましたと言はぬばかりに、フラフラと垂れて居るではありませんか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...板庇(いたびさし)がひどく腐つて居て...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...小鳥来る音うれしさよ板庇(いたびさし)渡り鳥の帰って来る羽音(はおと)を...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...その同じ心は白梅(しらうめ)や誰(た)が昔より垣の外(そと)という句にも現れ小鳥来る音うれしさよ板庇(いたびさし)愁ひつつ丘に登れば花茨(いばら)などのロセッチ風な英国抒情詩にも現われている...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...つゝじ咲(さい)て石うつしたる嬉しさよ更衣(ころもがへ)八瀬(やせ)の里人ゆかしさよ顔白き子のうれしさよ枕蚊帳(まくらがや)五月雨(さつきあめ)大井越えたるかしこさよ夏川を越す嬉しさよ手に草履小鳥来る音嬉しさよ板庇(いたびさし)鋸(のこぎり)の音貧しさよ夜半の冬のごときこれなり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...つゝじ咲て石うつしたる嬉しさよ更衣八瀬(やせ)の里人ゆかしさよ顔白き子のうれしさよ枕蚊帳五月雨の大井越えたるかしこさよ夏川を越す嬉しさよ手に草履小鳥来る音嬉しさよ板庇(いたびさし)鋸(のこぎり)の音貧しさよ夜半(よわ)の冬の如きこれなり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...万延寺の本堂と背中合わせの竹瓦に板庇...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
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