...」下足札これも或松の内の事である...
芥川龍之介 「東京小品」
...正月の松の内など...
上村松園 「わが母を語る」
...床(とこ)の花已(すで)に古びや松の内一月二十七日 「玉藻十句集(第十二回)」畦(あぜ)一つ飛び越え羽搏(はう)つ寒鴉凍鶴(いてづる)の首を伸(のば)して丈(たけ)高き一月二十七日 丸之内倶楽部俳句会...
高浜虚子 「五百五十句」
...松の内が過ぎたら年始を祝いに来ると云って帰ったが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...しかしその時に限らず、ちょうどその五六日前にも、銀子たちは三台の車に分乗し、伊沢も仲間入りして、春よしのお神に引率され、羽田の穴守(あなもり)へ恵方詣(えほうまい)りに行き、どうかした拍子に、銀子は春次と一緒に乗っている伊沢の車に割り込み、染福が一人乗りおくれてまごまごしているのを見たが、穴守へついてからも、染福の銀子を見る目が嶮(けわ)しく光り、銀子は何のこととも解らず、謎(なぞ)を釈(と)くのに苦しんだが、深く気にも留めず、帰りは一台の車にタイヤのパンクがあり、いっそ三台とも乗りすてて、川崎から省線で帰ることにしたのだったが、松の内のことで、彼女たちは揃(そろ)って出の支度(したく)であり、縁起ものの稲穂の前插(まえざ)しなどかざして、しこたま買いこんだ繭玉(まゆだま)や達磨(だるま)などをてんでにぶら下げ、行きがけの車に持ち込んだウイスキーと、穴守のお茶屋で呑(の)んだ酒にいい加減酔っていたので、染福は何かというと銀子に絡(から)んで来るのだった...
徳田秋声 「縮図」
...私はその淋しい春の松の内に...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...松の内から借金取りでも飛込んだというのかえ」銭形の平次は珍しく威勢よく迎えました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...松の内に、黒石家では、金五郎を養子に迎えるめでたい式が、一種、狂気じみた盛大さで、もよおされた...
火野葦平 「花と龍」
...一月二日(火曜)松の内は九時半着到十時開演...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...鼠(ねずみ)なども松の内だけは「よめが君(きみ)」などといって...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...正月松の内に囲炉裏に足を入れると...
柳田国男 「雪国の春」
...試験勉強でたいへんだろ?」あわただしく松の内のすぎた水曜日で...
山川方夫 「その一年」
...松の内の城内は諸礼諸儀式の吉例ずくめで日ごと型どおりな繁忙で暮れている...
吉川英治 「江戸三国志」
...ことしの松の内は...
吉川英治 「折々の記」
...松の内も暗くわびしく過ぎて...
吉川英治 「私本太平記」
...松の内もはや過ぎようとする...
吉川英治 「新書太閤記」
...松の内が過ぎると...
吉川英治 「べんがら炬燵」
...松の内らしい鼓(つづみ)の音や...
吉川英治 「柳生月影抄」
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