...古本屋の表は一杯の人だかりになった...
江戸川乱歩 「D坂の殺人事件」
...椿は枝一杯に赤い花をつけている...
外村繁 「落日の光景」
...その愛がやがて空と地とに一杯拡がっていって...
豊島与志雄 「運命のままに」
...空と地とに一杯漲っている...
豊島与志雄 「真夏の幻影」
...山吹色の小判で一杯だったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...歸りは白山下で一杯といふ寸法はどうだい」「有難いツ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私は悲しみで胸が一杯だつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...ゴムのやうに柔軟な土で一杯に満された...
牧野信一 「心象風景」
...海外の知友の助けまでかりて幅は三尺位ひだが四段になつてゐる書架を一杯以上にしたことがある...
牧野信一 「吾家の随筆」
...一杯十銭の兜酒をきめ込むあの設備はできていなかった...
正岡容 「わが寄席青春録」
...贅沢(ぜいたく)な杯盤を並べ立てて...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...深みのあるために浮く粗朶の間に一杯の鯉が見え隱れしてゐた...
室生犀星 「京洛日記」
...水筒に一杯が精一パいです...
山中貞雄 「陣中日誌(遺稿)」
...その杯よりも心の狭い小器な人物よと...
吉川英治 「黒田如水」
...屏風囲いのむッとするような酒の香の中に独りで杯をあげていた...
吉川英治 「剣難女難」
...……そうだとも」三郎兵衛も、今は、以前の友と変らず、すっかり胸襟(きょうきん)をひらいて、杯をかさねた...
吉川英治 「新書太閤記」
...林冲(りんちゅう)は「えい、面倒な」と勝手にそこらの器を取って二、三杯飲んでいた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...酒杯(さかずき)を仰飲(あお)ってやたらにそこらの人間へ酌(さ)す...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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