...「お独(ひと)りではお寂しかろ、婆々(ばば)アでもお相手致しましょう」「結構です、まア一杯」と、僕は盃(さかずき)をさした...
岩野泡鳴 「耽溺」
...忽ち番組のカードは予約で一杯になった...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「梟の眼」
...ジュピターの杯に酌をする青春の女神ヘベの信者である...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...暮れると待ちきれないで大街道へ、例の店で、カケで、一杯ひつかける、この一杯はこたえた、こたえましたよ...
種田山頭火 「松山日記」
...それで精一杯の愛嬌(あいきょう)を浮かべて媚(こ)びるようなしなを作りながら...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...勘次(かんじ)は雨戸(あまど)を一杯(ぱい)に開(あ)けた...
長塚節 「土」
...とんでもなく大きい籠に卵を一杯入れて...
中谷宇吉郎 「低温室だより」
...黒板一杯ぐらいな大きな字で...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...外へ出て一杯やりながら訊こうじゃないか」「ヘエ――」屑屋は自分の家へ笊を抛(ほう)り込むと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...蕎麥(そば)屋へ入つて一杯呑ませながら聽くと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...夜の洞海湾を、ゆるい速力で進む船列は、どの舟にも、一杯に、華麗な燈籠提灯の明(あ)かりがみなぎって、波にその光をうつしている...
火野葦平 「花と龍」
...飯二杯とえび六本その他食ったが...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...一杯二厘半ですよ...
宮沢賢治 「カイロ団長」
...『これを一杯飲んでゆくがいい...
吉川英治 「魚紋」
...銀の銚子から大盃へ手酌で幾杯となく飲み干した...
吉川英治 「剣難女難」
...杯をとるがよい」宮は言った...
吉川英治 「私本太平記」
...勢一杯に見開らかれて...
蘭郁二郎 「魔像」
...強(あなが)ちに辭(いな)みもせず千代は私の杯を受取る...
若山牧水 「姉妹」
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