...この暇乞(いとまごい)の語を出し終りたる後は胸一杯...
饗庭篁村 「良夜」
...「吾父よ若しかなはゞ此杯を我より離ちたまへ」とゲツセマネに祈つた人である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...と渋茶を一杯...
泉鏡花 「活人形」
...ロンドンの空一杯に打ちあげられた阻塞気球(そさいききゅう)を...
海野十三 「英本土上陸戦の前夜」
...後で一杯飲ませるから...
海野十三 「雷」
...苦悩を消すための杯は...
太宰治 「乞食学生」
...私には一杯でたくさんだつた...
種田山頭火 「行乞記」
...香の煙があたりに一杯に籠めるばかりに立靡き...
田山花袋 「道綱の母」
...そんなことよりまあ一杯やりましょう...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...この超自然の訪客は腕一杯にぐるぐるとその鎖を捲きつけたまま...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...またかの筍掘(たけのこほ)りが力一杯に筍を引抜くと共に両足を空様(そらざま)にして仰向(あおむき)に転倒せる図の如きは寔(まこと)に溌剌(はつらつ)たる活力発展の状を窺(うかが)ふに足る...
永井荷風 「江戸芸術論」
...私は胸一杯呼吸するのであつた...
中原中也 「散歩生活」
...一杯に振り冠った乱髪の間から...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...平次は舌を鳴らしてもう一杯傾(かたむ)けます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...突然上体を激しく煽るや逆手に握つた短刀を力一杯吾と吾が腹に突き刺し...
牧野信一 「沼辺より」
...アカシヤの梢に綿雲が一杯にかかる...
宮澤賢治 「うろこ雲」
...こよなき宝の杯を乾(ほ)しけり宴(うたげ)の度毎に...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...それが八杯にもおよんだので...
吉川英治 「新・水滸伝」
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