...新しく打つたらしい杭の上に五斛納釜(ごくなふがま)を五つ六つ...
芥川龍之介 「芋粥」
...真黒になった一丈もありそうな標示杭(ひょうじぐい)が斜めになって立っていた...
有島武郎 「カインの末裔」
...がッきと当って杭(くい)に支(つか)えた...
泉鏡花 「悪獣篇」
...杭に黒髪の搦みながら...
泉鏡花 「悪獣篇」
...雨(あめ)に濡(ぬ)れしよびれた棒杭(ぼうぐひ)の如(ごと)く夜目(よめ)に映(うつ)つた...
泉鏡太郎 「雨ふり」
...彼は故郷の杭州を亡命して...
海野十三 「西湖の屍人」
...仲見世の舗道を急流に洗はれる杭のやうに...
添田唖蝉坊 「乞はない乞食」
...眼で見ただけの固いカサブタだらけの杭のほうが気味悪く思い出された...
高見順 「いやな感じ」
...今日はなくなっているが当時は橋の水車の杭(くい)があって...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...川岸の乱杭の中に...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...棒杭(ぼうくひ)に抱きついて...
林芙美子 「浮雲」
...大正三年の春南海よりの歸へるさに支那内地を一瞥せばやと思ひ立ち、上海の淹留中には一夜泊りにて、杭州に遊び、噂にのみは年久しく耳馴れし西湖の風光をまのあたり眺め、更に上海よりして陸路金陵に赴き、長江を遡り、漢口を經て北京に入りたりしが、車上に將た船中に、日々眼に遮るもの一として驚神の因たらざるはなく、外國旅行には多少の經驗ある己にも、支那は再遊したき國なりとの感を禁ずること能はざりき...
原勝郎 「貢院の春」
...その棒杭は林の庭の垣からひきぬいたものであることもすぐにわかった...
平林初之輔 「誰が何故彼を殺したか」
...反杭心が自分ながら醜くゝ思はれてならないんだ...
牧野信一 「南風譜」
...斷崖の先に打ち込まれた幾本かの杭に引いた針金のゆるみが...
水野仙子 「夜の浪」
...もっぱら岸際(きしぎわ)の杭(くい)のあいだや...
山本周五郎 「青べか物語」
...考えて見ると待ち合わそうといった場所が頗(すこぶ)る面白くない」「なぜ」「橋杭(はしぐい)を見てくんな...
吉川英治 「江戸三国志」
...橋杭にかかった五人の遊女を葬って「上塚(じょうろうづか)」とよんだり「傾城塚」と称して...
吉川英治 「随筆 新平家」
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