...彼の表情を寧ろ愛嬌深くする乱杭歯が現はれどほしに現はれてゐた...
有島武郎 「骨」
...どうやら橋杭(はしぐい)にでもいるらしかった...
泉鏡花 「海の使者」
...東隅には方二寸五分高さ二尺の測量杭がたった一本...
鵜殿正雄 「穂高岳槍ヶ岳縦走記」
...あの松林よりも澪(みお)の棒杭の方が高く見えますな...
江見水蔭 「悪因縁の怨」
...蝦蛄(しやこ)の這ふ樣にずらり足杭を見せた棧橋が見ものだ...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...その棒杭の一つ一つに灯火がともされ...
豊島与志雄 「性格批判の問題」
...又ぼんやり勝手口へ出て垣根の杭に寄りかゝりながら晴れた日の空や日かげを見詰めてゐる事もあつた...
永井荷風 「或夜」
...太い杭(くひ)に腰をかけ...
永井荷風 「町中の月」
...甲野さん分ったろう」「何が」「伝教大師御誕生地と云う棒杭(ぼうぐい)が坂本に建っていましたよ」「あすこで生れたのさ」「うん...
夏目漱石 「虞美人草」
...百本杭(ぐい)から浅ましい姿で引上げられました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...娘のお絹は杭か何んかで肩を打ちましたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...大きな石塊のごろごろしてゐる出鼻のところには黒い杭にあたる波が白く砕けてゐて...
原民喜 「潮干狩」
...大島へ十八里と誌した棒杭が立つてゐるが...
牧野信一 「スプリングコート」
...出る杭を打たうとしたりや柳かな酒を煮る家の女房ちよとほれた絵団扇(うちわ)のそれも清十郎にお夏かな蚊帳(かや)の内に蛍放してアヽ楽や杜若(かきつばた)べたりと鳶(とび)のたれてける薬(くすり)喰(くい)隣(となり)の亭主箸持参化さうな傘かす寺の時雨(しぐれ)かな後世一茶(いっさ)の俗語を用ゐたる...
正岡子規 「俳人蕪村」
...陸杭時に江陵の都督たり...
南方熊楠 「十二支考」
...もっぱら岸際(きしぎわ)の杭(くい)のあいだや...
山本周五郎 「青べか物語」
...杭(くい)を打ちこみ...
吉川英治 「新書太閤記」
...矢来のそばの杭(くい)につながれていたが...
吉川英治 「親鸞」
便利!手書き漢字入力検索