...がッきと当って杭(くい)に支(つか)えた...
泉鏡花 「悪獣篇」
...いつも棒杭(ぼうぐい)をその股に結びつけて...
海野十三 「地球盗難」
...ところどころへ杭(くい)を打ったり...
江戸川乱歩 「影男」
...仲見世の舗道を急流に洗はれる杭のやうに...
添田唖蝉坊 「乞はない乞食」
...こゝで一番評判の君奴(きみやつこ)といふのです――」「…………」はつぴを着た男が頻りに杭を打つたりなどしてゐた...
田山録弥 「浴室」
...雪が屋根よりも高く積まれた上を黒いマントを着た子供たちが杭(くい)から杭へ渡された縄につかまって歩いている絵はがきをもらったとき...
壺井栄 「赤いステッキ」
...「出ます」杭を押えていた侍が...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...牧は、その真中へ、自分で、杭を打ち、縄を三重に張って、三角の護摩壇を形造った...
直木三十五 「南国太平記」
...星巌及び其社中の詩人は蓮塘と書し又杭州の西湖に擬して小西湖と呼んだ...
永井荷風 「上野」
...この木造の大槌(づち)は建築か杭(くひ)打ちでもなければ滅多に使ふものでなく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...井戸のそばにある林の家(うち)の垣の棒杭をひきぬいて...
平林初之輔 「誰が何故彼を殺したか」
...恰度突立つた杭が倒れるやうに...
北條民雄 「道化芝居」
...上下にと引き分けられた厚い唇の間から非常に大きく乱杭な歯と細ー長い列とが現われて消えた...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...櫨(はぜ)の木で作った杭(くい)を六本ずつ二度...
柳田国男 「こども風土記」
...一方には杭を打ってその間に縄を張り...
柳田国男 「雪国の春」
...茶店(ちゃみせ)があるな」立場(たてば)がわりに駒止(こまど)めの杭(くい)がうってある葭簀掛(よしずがけ)の茶屋(ちゃや)を見かけて...
吉川英治 「神州天馬侠」
...又橋の下をくぐりながら幾度かボートを橋杭に打ち突けながら川を下つた...
吉田絃二郎 「八月の霧島」
...まるで棒杭(ぼっくい)みたいだ...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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