...根来町って、どの辺にあるの?...
...ただし大阪は今日でも婚礼(こんれい)に家柄(いえがら)や資産や格式などを云々(うんぬん)すること東京以上であり元来町人の見識の高い土地であるから封建(ほうけん)の世の風習は思いやられる従って旧家の令嬢(れいじょう)としての衿恃(きょうじ)を捨てぬ春琴のような娘が代々の家来筋に当る佐助を低く見下(みくだ)したことは想像以上であったであろう...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...四月十五日夜来の雨が晴れを残していつた、行程二里、福岡へ予定の通り入つた、出来町、高瀬屋( ・中)この町――出来町――はヤキとヤキを得意とする店ばかりだ(久留米の六軒屋と共に九州のボクチン代表街だ)...
種田山頭火 「行乞記」
...このあたりを勘六といふ、面白い地名である、そして安宿の多いのには驚ろいた、三年ぶりに歩いてみる、料理屋などの経営難から、木賃宿の看板をぶらさげてゐるのが多い、不景気、不景気、安宿にも客が少いのである、安宿がかたまつたゐるのは、九州では、博多の出来町、久留米の六軒屋、そしてこの勘六だらう...
種田山頭火 「行乞記」
...安来町の通称坂田屋といふ料理屋の主人渡辺佐兵衛なるものが...
田畑修一郎 「出雲鉄と安来節」
...四時雄は例刻をてくてくと牛込矢来町の自宅に帰って来た...
田山花袋 「蒲団」
...矢来町の時雄の宅...
田山花袋 「蒲団」
...寓所ハ牛込矢来町(やらいちょう)三番地字(あざ)中ノ丸丙六〇号」とある...
寺田寅彦 「子規自筆の根岸地図」
...帰朝当座の先生は矢来町(やらいちょう)の奥さんの実家中根(なかね)氏邸に仮寓(かぐう)していた...
寺田寅彦 「夏目漱石先生の追憶」
...静子の家は矢来町にあったが...
豊島与志雄 「運命のままに」
...牛込矢来町(うしごめやらいちょう)なる広津柳浪(ひろつりゅうろう)先生の門を叩きし日より始まりしものといふべし...
永井荷風 「書かでもの記」
...先生が矢来町にありし事を知りしは予(あらかじ)め電話にて春陽堂に聞合せたるによつてなり...
永井荷風 「書かでもの記」
...先生が寓居は矢来町の何番地なりしや今記憶せざれど神楽坂(かぐらざか)を上りて寺町通(てらまちどおり)をまつすぐに行く事数町(すうちょう)にして左へ曲りたる細き横町(よこちょう)の右側...
永井荷風 「書かでもの記」
...先生が矢来町の閑居には小鳥と共に門人もまた加はり来りぬ...
永井荷風 「書かでもの記」
...郊外の家はその前に畳んで牛込(うしごめ)矢来町(やらいちょう)に移っていたので...
永井荷風 「ひかげの花」
...加州鶴来町(つるぎまち)から...
野村胡堂 「天保の飛行術」
...雲の懸からぬ山はないはじめに出した「潮来出島の真菰の中であやめ咲くとはしほらしや」の中にある出島(でじま)は直ぐ潮来町の真向いに見える小さい州の島で...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...年はおつかつだが貞之助の伯父に当る勘吉は十何年来町役場の書記を勤め...
「小祝の一家」
...金沢近くの鶴来町(つるぎまち)も一度は訪れねばなりません...
柳宗悦 「手仕事の日本」
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