...すると向うから歩いて来たのは鉢を持った一人の沙門(しゃもん)である...
芥川龍之介 「尼提」
...もう出来たろうと...
泉鏡花 「薄紅梅」
...ガツガツの大食家共がいくら八方から攻めて来たつて駄目だ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...いよいよ警察隊がやって来たのです...
海野十三 「崩れる鬼影」
...銀座通りもない海上をこうして小笠原列島の南端にちかい父島までやって来たことだから...
海野十三 「地球を狙う者」
...ひとすぢの香の煙のやうに私の顔にたゆたうて来た...
薄田泣菫 「独楽園」
...六年経つて出て来たが...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...地理的条件のために長い間鎖国状態を保って来た日本がようやく世界の他の部分と接触するようになったのは一つには科学の進歩によって交通機関が次第に発達したおかげであるとも見られる...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...お庄が奥から持って来た座蒲団を敷いて...
徳田秋声 「足迹」
...三十年来学界言論界政界はこの機関説の実現に向かって全力を傾けて来たものであるから...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...兄が来たら、嫂と縫子を引き渡して早く帰りたい位に思った...
夏目漱石 「それから」
...官命で遣(や)って来たその人の財力と健三の給費との間には...
夏目漱石 「道草」
...御信者のなかへはいるわけにはゆかないものでございますか?」細君のある老人とのなかに出来た子供を始末して...
林芙美子 「浮雲」
...ペルリの日本行より八年目に自分の国に航海して来たと云う訳(わ)けであるから...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...犬が来たって、わたしどこの隅でも、靴の底まで嗅がせます...
「赤い貨車」
...関所の見えるところまで来たとき...
山本周五郎 「山彦乙女」
...ひとりで哄笑しながら出て来たが...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...おれの故郷(くに)には、船頭や物売りの中にだって、あんなのは歯も立たない腕っぷしのが、幾らだっているさ」「そういえば、いったいおめえの故郷は、どこなのか」「東のほうだよ」「東の方だって、広いじゃねえか」「箱根のむこうさ」「へんにかくすなあ」「おう、もう来たぜ、門前町(もんぜんちょう)へ...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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