...船室から甲板に出てみると来し方の海水は青々としているけれども...
上村松園 「余齢初旅」
...放っておけばもう十年で全部こうなってしまうのです」正造は遠く来し方を顧みる面持で...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...来し方の空が近くなるだろう...
豊島与志雄 「旅人の言」
...祈りのうちに過ぎ来し方がそのままはっきり見えて来るのだ...
豊島与志雄 「旅人の言」
...来し方を眺め渡して溜め息をついた...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...私たちはもと来し方へと引きかえした...
別所梅之助 「雪の武石峠」
...ときどき振り返って丹念に穴のあけてある来し方を見やるのが唯一の慰め...
松濤明 「春の遠山入り」
...残り少ない煙草をふかしながら来し方を眺めた...
松濤明 「春の遠山入り」
...今迄の来し方を思い出しました...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...明石はそれとも気がつかなかったであろうなどとも院は来し方のことを思っておいでになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...夫人自身も寂しい来し方を思い出し...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...時々は現在我々の歩む道の来し方が...
柳田國男 「家を持つといふこと」
...二十六年の来し方が夜明け前の朝靄に包まれていたとすれば...
山本周五郎 「菊屋敷」
...薬局で嗅ぐ風のよに苦いかをりを立てるのはまだ覚め切らぬ来し方のわたしの夢の影であろ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...これの冊子の来し方の...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...七十路(ななそぢ)経たる来し方も千歳(ちとせ)の業(わざ)を立てましぬ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...来し方から今後のこと...
吉川英治 「新・水滸伝」
...何もかも、来し方のことは、どうぞ水に流して、おわすれ下さいませ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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