...各々の顔に束の間の歓びの情が溢れて見える...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...束の間に過ぎなかった...
梅崎春生 「幻化」
...しかし此の度の逃亡もひょっとすると自分の束の間の感傷から出たのかも知れない...
梅崎春生 「日の果て」
...三人で身を寄せ合えば眠る束の間心地よく暖まれる...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...彼は小泉の家を出て、初夏の陽光のなかに自分を見出した時、珍らしく散歩の心をそそられたが、それも束の間で、漠然とした期待と気忙しさとのために、まっすぐ自宅へ戻っていった...
豊島与志雄 「立枯れ」
...部屋の空気が薄紫に淀んだと思ったのも束の間で...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...くつきりとこちらに光を放ちだしたと思ふのも束の間で...
原民喜 「小さな村」
...束の間の印象を辿りかえすと...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...この相似性によって、理性が心配で手に負えなくなっているときでも、我々は束の間、理性をなだめすかすことができる...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...束の間づつ喚び醒まされる波の音が次ぎ次ぎに三方から谺(こだま)して来るばかりである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...湖の舟の動きし束の間に我唯今を忘れけるかな野尻湖でよまれた歌であるが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...いつかこの国は科学者たちの恩恵を知るだろうよ」ロンデール医師が外を見ると、群衆が喜び叫んで、陽光灼熱など意に介さず、束の間、恍惚状態だ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の川」
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松本たかし 「松本たかし句集」
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三好達治 「故郷の花」
...極(き)まるは今の束(つか)の間(ま)と思案するもまた束の間...
森鴎外 「そめちがへ」
...その悔悛はよし束の間であっても...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...奈良原到はコッソリと起上って誰にも告げずに山のように積んである薪の束の間に...
夢野久作 「近世快人伝」
...とは束の間も彼女の胸に斷えたことのない祈願であつた...
若山牧水 「姉妹」
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