...井田は外套を脱いで身が輕くなつたと共に不圖淋しい心持がしたが、それも束の間で、直ぐ机の下にあつた行李を運び始めた...
有島武郎 「半日」
...警破(すは)やと思ふ束の間に...
石川啄木 「漂泊」
...束の間欲しき玉の緒を...
泉鏡花 「活人形」
...束の間に過ぎなかった...
梅崎春生 「幻化」
...その悦びは束の間に消え去った...
海野十三 「火葬国風景」
...生きていると気がついて悦んだのも束の間...
海野十三 「火葬国風景」
...槍を揮ひて猛然と追ひうつ彼は束の間も...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...緒戦の華々しいいわゆる戦果も束の間の夢にすぎず...
中谷宇吉郎 「二つの序文」
...束の間でも住みよくせねばならぬ...
夏目漱石 「草枕」
...何れもが束の間も休まうとしない...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...その束の間の訪いを証言している...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...いつかこの国は科学者たちの恩恵を知るだろうよ」ロンデール医師が外を見ると、群衆が喜び叫んで、陽光灼熱など意に介さず、束の間、恍惚状態だ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の川」
...それで辛うじて松の木の上ぐらゐまで上つたかとおもふのも束の間で...
牧野信一 「山峡の凧」
...束の間のエア・ポケツト見たいな白々しい間隙が生じてゐるものだ――などと思ふと私は不図...
牧野信一 「日本橋」
...外套だけ被って足を伸ばし臥(ね)ては束の間も眠られぬと...
南方熊楠 「十二支考」
...注射も今は只束の間の命を延ばして行くはかない仕事になって息は益々苦しく小さい眼はすべての望を失った色に輝いて来た...
宮本百合子 「悲しめる心」
...奈良原到はコッソリと起上って誰にも告げずに山のように積んである薪の束の間に...
夢野久作 「近世快人伝」
...腕を差し上げて、女はやや躊躇(ちゅうちょ)の色が見えたが、それも束の間、キリキリッと歯噛みをすると一緒に振り上げた刃がキラリッと光った...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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