...しかし、それも束の間で、いよいよ明日は、「岡山の国家老池田玄蕃殿のお招きにより岡山へ参る」と、いう内蔵助のいつわりの言葉をきいてお軽も二文字屋もがっかりしてしまったのである...
上村松園 「軽女」
...此の束の間の感傷が暫く押し流したのだ...
梅崎春生 「風宴」
...醉ごこちあくがれまどふ束の間を...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...危篤(あつ)ゆる今の束の間をあな息ぐるし...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...束の間の少年の夢...
徳永保之助 「洪水のように」
...くつきりとこちらに光を放ちだしたと思ふのも束の間で...
原民喜 「小さな村」
...しかし人生というものは束の間に急激な変化を齎らすもので...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...湖の舟の動きし束の間に我唯今を忘れけるかな野尻湖でよまれた歌であるが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...尤も形の徐々(そろそろ)壊出(くずれだ)した死骸を六歩と離れぬ所で新鮮の空気の沙汰も可笑(おか)しいかも知れぬが――束の間で...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...ほんの束の間、ヴィラは夫の腕に抱かれ、それから軽く溜息をつき、体を離し、ゆっくりと上階に消えた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...それで辛うじて松の木の上ぐらゐまで上つたかとおもふのも束の間で...
牧野信一 「山峡の凧」
...下降の客が乗り切るまでのほんの束の間...
牧野信一 「日本橋」
...「ヤレ安心」と思ったのは束の間...
槇村浩 「私は紙である」
...わが我儘なる心に常に何をか求め憧れつつ遣瀬なき念(おも)ひ束の間も忘るることなく...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...とどまる者はせんなく煙草を燻ゆらせる束の間に...
三好達治 「測量船」
......
三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...あれほど束の間のことをあんなに長い間こわがるのは道理だろうか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ソクラテスはこれを「束の間の権威」と...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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