...醉ごこちあくがれまどふ束の間を...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...ただ私がいくらか束の間の安堵をしたことには...
豊島与志雄 「或る女の手記」
......
長塚節 「長塚節歌集 中」
...緒戦の華々しいいわゆる戦果も束の間の夢にすぎず...
中谷宇吉郎 「二つの序文」
...束の間の栄華を誇った...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...それも束の間のことで...
久生十蘭 「キャラコさん」
...束の間づつ喚び醒まされる波の音が次ぎ次ぎに三方から谺(こだま)して来るばかりである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...束の間も我を離れてあり得じと秋は侮る君の心も「君の心も」は「君の心をも我が心をも」の略であらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...「束の間の奇跡だよ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...束の間のエア・ポケツト見たいな白々しい間隙が生じてゐるものだ――などと思ふと私は不図...
牧野信一 「日本橋」
...外套だけ被って足を伸ばし臥(ね)ては束の間も眠られぬと...
南方熊楠 「十二支考」
...注射も今は只束の間の命を延ばして行くはかない仕事になって息は益々苦しく小さい眼はすべての望を失った色に輝いて来た...
宮本百合子 「悲しめる心」
...とどまる者はせんなく煙草を燻ゆらせる束の間に...
三好達治 「測量船」
...御主人様を束の間も忘れたことはございません...
室生犀星 「お小姓児太郎」
...ソクラテスはこれを「束の間の権威」と...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...これらの流行も束の間...
山本笑月 「明治世相百話」
...そのうちにヤット波の絶頂まで登り詰めてホットしたと思う束の間に...
夢野久作 「難船小僧」
...とは束の間も彼女の胸に斷えたことのない祈願であつた...
若山牧水 「姉妹」
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