...各々の顔に束の間の歓びの情が溢れて見える...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...照ちやんが角かくしをした姿を見ぬのを殘念だと思つたのも束の間であつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...相見る束の間の喜びは短かく...
田中英光 「さようなら」
...ついこの間まで玩具(おもちゃ)のような矮小(わいしょう)な家に住んでいた亡命露西亜(ロシア)人の娘が、忽(たちま)ち英国に渡って大会社の社長殿の夫人に出世し、お城のような邸宅で人も羨(うらや)む栄華な暮しをするようになったかと思えば、それも束の間で、今や英国民全体の上に未曾有(みぞう)の惨事(さんじ)が降りかかろうとしているのである...
谷崎潤一郎 「細雪」
...夕飯(茄子、さゝげ豆、胡瓜膾、沢庵漬)朝食(味噌汁、沢庵漬)木賃 三十銭・まうへに陽がある道ながし・おもひでは暑い河原の石をふみ七月三十一日沿道を行乞しながら一時舟橋通過、四時大道到着、もう歩きつゞける元気もなくなつて汽車に乗る、四辻も束の間、すぐ小郡だ、やれ/\戻つてきました...
種田山頭火 「行乞記」
...槍を揮ひて猛然と追ひうつ彼は束の間も...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...三人で身を寄せ合えば眠る束の間心地よく暖まれる...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...緒戦の華々しいいわゆる戦果も束の間の夢にすぎず...
中谷宇吉郎 「二つの序文」
...くつきりとこちらに光を放ちだしたと思ふのも束の間で...
原民喜 「小さな村」
...束の間の栄華を誇った...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...頭から濡れしずくになって、眥(まなじり)が張りさけんばかりにクヮッと眼をむき、なにか、眼に見えぬ水中の敵とでも争うような恰好で、凄じい水飛沫(みずしぶき)をあげながら夢中になって両手で水を叩きまわっていたが、それも束の間で、また引きこまれるようにググッと水底へ沈んでしまった...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...この相似性によって、理性が心配で手に負えなくなっているときでも、我々は束の間、理性をなだめすかすことができる...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...湖の舟の動きし束の間に我唯今を忘れけるかな野尻湖でよまれた歌であるが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...蝶々さんとピンカートンの蜜のように甘い愛の巣の生活も束の間...
三浦環 「お蝶夫人」
...注射も今は只束の間の命を延ばして行くはかない仕事になって息は益々苦しく小さい眼はすべての望を失った色に輝いて来た...
宮本百合子 「悲しめる心」
...この束の間の知識のために...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...これらの流行も束の間...
山本笑月 「明治世相百話」
...我等に残るこの束の間...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
ランダム例文:
便利!手書き漢字入力検索
時事ニュース漢字 📺
