...各々の顔に束の間の歓びの情が溢れて見える...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...生きていると気がついて悦んだのも束の間...
海野十三 「火葬国風景」
...束の間なりき...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...相見る束の間の喜びは短かく...
田中英光 「さようなら」
...私は束の間の青白い思念として現れることができた...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「感覚の殻」
...槍を揮ひて猛然と追ひうつ彼は束の間も...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...与へられた束の間の生のうちに次から次と美しき幻を追ひ...
長與善郎 「青銅の基督」
...晴れ間に姿を現はしてゐる間はまことに束の間で...
林芙美子 「摩周湖紀行」
...束の間づつ喚び醒まされる波の音が次ぎ次ぎに三方から谺(こだま)して来るばかりである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...束の間も我を離れてあり得じと秋は侮る君の心も「君の心も」は「君の心をも我が心をも」の略であらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...尤も形の徐々(そろそろ)壊出(くずれだ)した死骸を六歩と離れぬ所で新鮮の空気の沙汰も可笑(おか)しいかも知れぬが――束の間で...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...その束の間の訪いを証言している...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
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三好達治 「池のほとりに柿の木あり」
...束の間の夢のやうにもとの座に帰つてしまつた...
三好達治 「測量船」
...束の間ももろともにとぞ契(ちぎ)りたる逢(あ)ふとは人に見えぬものからまた歳と月とがいみじくも流れ去った...
室生犀星 「姫たちばな」
...我等に残るこの束の間...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...約束の間の山へつき...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...よしんば束の間のこととはいえ...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
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