...井田は外套を脱いで身が輕くなつたと共に不圖淋しい心持がしたが、それも束の間で、直ぐ机の下にあつた行李を運び始めた...
有島武郎 「半日」
...束の間欲しき玉の緒を...
泉鏡花 「活人形」
...生きていると気がついて悦んだのも束の間...
海野十三 「火葬国風景」
...危篤(あつ)ゆる今の束の間をあな息ぐるし...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...束の間なりき...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...彼は小泉の家を出て、初夏の陽光のなかに自分を見出した時、珍らしく散歩の心をそそられたが、それも束の間で、漠然とした期待と気忙しさとのために、まっすぐ自宅へ戻っていった...
豊島与志雄 「立枯れ」
...あんなに美しかつた束の間に嘗ての姿をとりもどすかのやうに...
原民喜 「鎮魂歌」
...束の間の栄華を誇った...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...灯りの消えた束の間にツイと立って行って佐原屋を縊り殺し...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...それも束の間のことで...
久生十蘭 「キャラコさん」
...束の間の印象を辿りかえすと...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...しかし人生というものは束の間に急激な変化を齎らすもので...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...文字通り束の間で...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...束の間のエア・ポケツト見たいな白々しい間隙が生じてゐるものだ――などと思ふと私は不図...
牧野信一 「日本橋」
...いい巣を見つけたと思ったのも束の間...
正岡容 「寄席」
......
三好達治 「故郷の花」
...御主人様を束の間も忘れたことはございません...
室生犀星 「お小姓児太郎」
...極(き)まるは今の束(つか)の間(ま)と思案するもまた束の間...
森鴎外 「そめちがへ」
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