...世界の交通は杜絶し...
海野十三 「予報省告示」
...登山客の杜絶(とだ)えたこの秋の初めに自ら探検に出かけて...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「心霊の抱く金塊」
...暗い杜絶したものが急に彼の前から取り払われた...
豊島与志雄 「生あらば」
...似顔絵本は勝川春章が『舞台扇』『役者夏の富士』以来久しく杜絶(とぜつ)したりしが豊国に至りて再び流行せり即ち左の如し...
永井荷風 「江戸芸術論」
...物売りの声も全く杜絶えてゐる...
永井荷風 「花より雨に」
...まだ杜絶(とだ)えない人通りは牛込見附(うしごめみつけ)の近くなるに従っていよいよ賑(にぎやか)になる...
永井荷風 「ひかげの花」
...人の行来(ゆきき)は全く杜絶えてゐるので...
永井荷風 「来訪者」
...当分杜絶(とぜつ)になるという最後の連絡船に乗って本州へ渡った...
中谷宇吉郎 「流言蜚語」
...こういうような訳で道楽の活力はいかなる道徳学者も杜絶(とぜつ)する訳にいかない...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...もう通信が杜絶してゐるらしい...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...人間の最後の意識が杜絶(とだ)える瞬間のことを殆ど目の前に見るように想像さえしていた...
原民喜 「美しき死の岸に」
...今にも息が杜絶(とだ)えそうな観念がぎりぎりと眼さきに詰寄せる...
原民喜 「苦しく美しき夏」
...澱粉類の配給がばつたり杜絶えて...
原民喜 「魔のひととき」
...誂へむきに今この路はひつそりとして人通りが杜絶えてゐる...
原民喜 「魔のひととき」
...歌声も杜絶え、すべてが寂とした静謐(しじま)にかへる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...きょうのお手紙に交通杜絶とあり全くそれに近いわね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...山陽道は杜絶(とぜつ)していた...
吉川英治 「私本太平記」
...それもすぐに杜絶(とだ)えてしまった...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??