...雀よ雀よ御主人のおかへりだ(緑平老に)香春をまともに別れていそぐ別れてきた荷物の重いこと別れてきて橋を渡るのである靄がふかい別れであつたひとりとなつてトンネルをぬけるなつかしい頭が禿げてゐた(緑平老に)・塵いつぱいの塵をこぼしつゝゆく石をきざみ草萠ゆる若葉清水に柄杓そへてある・住みなれて筧あふれる・あるけばきんぽうげすわればきんぽうげ□・衣がへ...
種田山頭火 「行乞記」
...一頃猫も杓子も騒ぎ立てた本で...
戸坂潤 「読書法」
...小さな尼さんが竹の柄杓(ひしゃく)を捧げている...
中里介山 「大菩薩峠」
...鮑貝(あわびがい)を杓子(しゃくし)の様にこしらえたものを携(たずさ)えて...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...御飯杓子 参銭...
林芙美子 「新版 放浪記」
...ニームのつゆ杓子 拾銭...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...残りの半分に満々と湛えている糞壺の中に長い柄杓をさしこみ...
火野葦平 「糞尿譚」
...それを木の杓子(しゃくし)で休みなく掻き廻して煉りますが随分慣れない人には骨が折れます...
村井弦斎 「食道楽」
...その杓で湯の中をしづかに廻して...
室生犀星 「故郷を辞す」
...波が杓を取って行った...
森鴎外 「山椒大夫」
...手早く杓を拾って戻した...
森鴎外 「山椒大夫」
...鬼を床下から引出して杓子(しゃくし)で押える式だそうである...
柳田国男 「年中行事覚書」
...その上には柄杓だの箒だのをぶらさげておく店のお爺さんがふらりと出てきた...
山村暮鳥 「小川芋銭」
...青竹の杓子を把り...
吉川英治 「折々の記」
...思わず手にしていた氷の柄杓を取り落して...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...「あっ……」柄杓の水がこぼれてしまった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...見よその柄杓(ひしやく)一杯の水の底に八月の青空が映つてゐるではないか...
吉田絃二郎 「八月の星座」
...やがて暫くの間各自柄杓をとって頭に湯を注ぐ...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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