...茶杓までもが、優雅の芸術品である...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...その時、切髪(きりかみ)の白髪(しらが)になって、犬のごとく踞(つくば)ったが、柄杓の柄に、痩(や)せがれた手をしかとかけていた...
泉鏡花 「悪獣篇」
...杓子と擂粉木を出来得る限り...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...大いに沢山お玉杓子を並べることを覚えようと...
中原中也 「音楽と世態」
...杓(ひしゃく)の水を喰(くら)った蜘蛛(くも)の子のごとく蠢めいている...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...または猫も杓子(しゃくし)も同じ顔に造ろうと思ってやりかけて見たが...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...柄杓(ひしゃく)の底へ仕掛けをして...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...柄杓(ひしやく)で一杯飮んで――」「それから騷ぎの始まるまで此處で休んで居なすつたのか」「大方さうだんべい...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...杓子(しやもじ)で味噌を取つて鍋へ入れたことだらうな」平次は妙な方へ問ひを持つて行きました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お勝手の方から柄杓(ひしやく)と俎板(まないた)が覗いてゐる世帶...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...露杓子(つゆじゃくし)のような...
林芙美子 「清貧の書」
...『やあ、おとっつぁん、燕麦は一升いくらで売ったね?』とか、『昨日の薄雪で、いい猟ができたろうね?』と訊く代りに、猫も杓子も、『新聞には何と出ているね? ナポレオンをまた、島から釈放したんじゃなかろうね?』などと言ったものである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...あん子は顎を杓(しやく)つて見せて判つた意味を現はした...
室生犀星 「神のない子」
...末造の熱した頭に一杓(いっしゃく)の冷水を浴せたのである...
森鴎外 「雁」
...柄杓子(えびしゃく)などを選びたく思います...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...その杓子は山で働く人がこしらえて...
柳田国男 「木綿以前の事」
...斯(かか)る世に芸術の神とも仰ぐ可き能楽家只圓翁が茶道に接すれば自然に紛々たる技巧の堕気を破つて卓然その神をこの茶杓の形に示現せしめしものと存候...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...竹柄杓(たけびしゃく)からガブガブ音をさせて水を呑んで戻って来た...
吉川英治 「新書太閤記」
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