...ついでに婦(おんな)二人の顔が杓子と擂粉木にならないのが不思議なほど...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...出家も尻端折(しりばしょ)りで肥柄杓(こえびしゃく)を振りまわさなければならぬ事もあり...
太宰治 「新釈諸国噺」
...水底深く沈んだ柄杓は中々上ろうともしない...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...長い柄杓(ひしゃく)で溝(どぶ)の水を汲んで撒(ま)いていることがあるが...
永井荷風 「葛飾土産」
...例の艶(なまめ)かしい立膝(たてひざ)ながらに手水鉢の柄杓から水を汲んで手先を洗っていると...
永井荷風 「妾宅」
...おつぎは米研桶(こめとぎをけ)へ水(みづ)を汲(く)んでそれへ浮(うか)べた杓子(しやくし)で杵(きね)の先(さき)を扱落(こきおと)して臼(うす)の中(なか)を丸(まる)い形(かたち)に直(なほ)す...
長塚節 「土」
...「ああ! 犬つころの悪魔の杓子野郎が...
中原中也 「山間秘話」
...5日本(にほん)の麻雀(マアジヤン)も近頃(ちかごろ)は少々(せう/\)猫(ねこ)も杓子(しやくし)もの感(かん)じになつてしまつたが...
南部修太郎 「麻雀を語る」
...美人画の五渡亭国貞(ごとていくにさだ)、風景画の一立斎広重(いちりゅうさいひろしげ)、武者絵の一勇斎国芳(いちゆうさいくによし)と名人上手簇出(ぞくしゅつ)の勢(いきおい)に駆られて、天保年間の流行は、苛(いやしく)も絵心あるものは、猫も杓子も、いや国主大名から、質屋の亭主、紺屋の職人までも、浮世絵を描いて、その巧緻精妙な技巧の末を競ったのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...猫も杓子(しゃくし)も飛び出したのでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...杓子(しゃもじ)で味噌を出して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...柄杓(ひしやく)が見えなかつたやうですが――」「庭に抛(はふ)り出してありましたよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...猫や杓子までがわれもわれもと哥薩克になつて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...手早く杓を拾って戻した...
森鴎外 「山椒大夫」
...すぐに跡から小形の手桶(ておけ)に柄杓(ひしゃく)を投げ入れたのを持って出た...
森鴎外 「百物語」
...柄杓(ひしゃく)のような簡単なものから...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...君も一杯やらんか」張飛が酒柄杓をつきつけた...
吉川英治 「三国志」
...水桶の竹柄杓(たけびしゃく)をさぐっていたが...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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