...ほんのちょっとでも箒(ほうき)の柄や柄杓(ひしゃく)をふりあげようものなら...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「リップ・ヴァン・ウィンクル」
...重い柄杓(ひしやく)に水を溢れさせて...
石川啄木 「鳥影」
...そのひそやかな世界では、床の間に懸つた古い禅僧の法語の軸物、あられ釜、古渡(こわた)りの茶入(ちやいれ)、楽茶(らくぢやわん)、茶杓、――といつたやうな道具が、まるで魔法使の家の小さな動物たちが、主人の老女の持つ銀色の指揮杖の動くがままに跳ねたり躍つたりするやうに、それぞれの用に役立ちながら、みんな一緒になつて茶室になくてはならない、大切な雰囲気をそこに造り上げようとする...
薄田泣菫 「侘助椿」
...南禅寺の楼門でする五右衛門の手裏剣を柄杓(ひしゃく)で受けた久吉(ひさよし)気取りに...
中里介山 「大菩薩峠」
...猫も杓子(しゃくし)も芸術芸術といい出したものだから...
中里介山 「大菩薩峠」
......
野口雨情 「螢の燈台」
...杓子(しゃもじ)で味噌を出して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...しかし盃と柄杓(ひしゃく)落さぬはほんの乱れ足とも見えず...
正岡子規 「俳句の初歩」
...手をうしろへまはして柄杓の中へ銭を入れて居る処は能(よ)く実際を現はして居る...
正岡子規 「病牀六尺」
...水桶の氷を力まかせに叩いて柄杓の柄を折る...
水野仙子 「四十餘日」
...このまま薄く切ってロースのようにしても食べられますが丁寧(ていねい)にすれば別の鍋へバターを溶かしてメリケン粉を入れて杓子(しゃくし)で攪(か)き廻(ま)わしながら色の黒く焦(こげ)るまでよくよくいためて...
村井弦斎 「食道楽」
...すぐに跡から小形の手桶(ておけ)に柄杓(ひしゃく)を投げ入れたのを持って出た...
森鴎外 「百物語」
...(魔女杓子にて鍋を掻き廻し...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...標識に蔽膝(まへかけ)と柄杓(ひしやく)とを選んだ所以である...
森鴎外 「古い手帳から」
...――草の擦れる音を聞きつけた十左衛門は、柄杓を置き、ふところ紙を出して顔を拭いてから、杖を取って立ちあがった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...柄杓(ひしやく)の水を茶碗に取りてわれにすゝめ...
夢野久作 「白くれない」
...猫も杓子(しゃくし)もこの風(ふう)に粋(すい)をこらして...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...やがて暫くの間各自柄杓をとって頭に湯を注ぐ...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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