...松原遠く日は暮れて利根のながれのゆるやかにながめ淋しき村里のここに一年(ひととせ)かりの庵(いお)はかなき恋も世も捨てて願ひもなくてただ一人さびしく歌ふわがうたをあはれと聞かんすべもがなかれは時々こうしたセンチメンタルな心になったが...
田山花袋 「田舎教師」
...比叡の峰つゞきの裾山が比良岳の方に向つて走つてゐる山麓の村里を過ぎ插秧(さふあう)のをはつたばかりの水田や青蘆の生ひ茂つた汀つたひの街道を走つていつた...
近松秋江 「湖光島影」
...槌の音が向こうの丘に反響して静かな村里に響き渡る...
寺田寅彦 「花物語」
...村里遠く道路から遠く...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...あのかがり火を村里の灯とでも思って慕い寄ったことなのだろう...
牧野信一 「吊籠と月光と」
...村里やちまたに住んで居る人...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...それが自分の村里から川上へ一里半ばかりの所にあって...
柳田国男 「故郷七十年」
...いづくんぞ知らんやあの邊で村里にも...
柳田國男 「蒼海を望みて思ふ」
...その田畠や村里の名に...
柳田國男 「地名の研究」
...自然に足溜(あしだま)りとなり村里なども起立したので...
柳田國男 「地名の研究」
...古風な村里に成長した人ならば...
柳田国男 「木綿以前の事」
...村里近くまで啼きあるく鳥の言葉は...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...それからも久しい間岩木山周囲の村里を吟行した...
柳田国男 「雪国の春」
...村里と菜種畠をよぎり行くに...
夢野久作 「白くれない」
...」このような芭蕉の村里びとの自覚も...
横光利一 「旅愁」
...首級は村里の辻に梟(か)けならべて...
吉川英治 「三国志」
...村里(そんり)への配布は張にまかせ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...人影を見ざるも既(すで)に村里に在(あ)るの想(おもひ)をなせり...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
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