...おまへの愛はのろい火で温まる杏色の薔薇(ばら)の花よ...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...杏色の灯がチロチロと燃えていた...
海野十三 「鍵から抜け出した女」
...鉄が熔けるときに流れ出すあの灼(や)けきったような杏色(あんずいろ)とも白色(はくしょく)とも区別のつかない暈光(きこう)が...
海野十三 「空襲葬送曲」
...杏色(あんずいろ)の火焔が...
海野十三 「空襲葬送曲」
...銀黄褐色または杏色...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...頬が巴旦杏色に艶に赤らみ...
久生十蘭 「川波」
...僕は同志に答えた美くしき友は来たコーカサスの氷の嶺に匍いよる紫の靄のようにバスクの原っぱの濁れた頬に巴丹杏色の太陽の接吻するように生楽のパンタポーネを鳩色の胸に燃やしながら囚われの鎖を腰に巻き憂愁に蔽われた装われたる若さもなく友は来た...
槇村浩 「青春」
...舞踏舞踏のある晩だつた盛りあげた薔薇(ばら)のやうな異国の小鳥たちが美しい杏色をした肌衣にみな日本の夜露を含んで劇場の廊下いつぱいに立ち匂うてゐた...
室生犀星 「忘春詩集」
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