...青いものといえば僅かに杉菜をみるばかりの田畑の荒廃や...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...権現向の畑地は三十余町歩の間ただ一面の杉菜で...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...その前に立つと、私は一瞬のうちに、蓬、萱、野菊、犬蓼、杉菜、露草、すいつぱ――といつたやうな、刈り倒された草の名を珠数つなぎに思ひ浮かべて、それぞれの草の持つてゐる思想を、踏まれても、引きちぎられても、伸びずにはおかないその生命の髄を嗅ぎ知るのみならず、どうかすると、これらの雑草の歯ざはりまで味はひ得たやうな気持がすることがあります...
薄田泣菫 「草の親しみ」
...旅も一人の春風に吹きまくられ波音の菜の花の花ざかり春まだ寒いたんぽゝたんぽゝ指のしなやかさ春の日ざしの杉菜そよぐのも春はまだ寒い風かすんでとほく爆音のうつりゆくを山羊鳴いて山羊をひつぱつてくる女・うらうらやうやうたづねあてた・椿は落ちつくして落ちたまゝ四月十五日花ぐもり...
種田山頭火 「旅日記」
......
長塚節 「長塚節歌集 中」
...杉菜の生えている砂地に...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...杉菜が畠に入ると飛び上るほども農夫が騒ぐのは...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...二杉菜はこのあたりの畠を打つ人たちに...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...また杉菜(すぎな)即ち葉茎(ようけい)を以てするところもあった...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...土筆はこれをツギノコといえば杉菜の方が前らしい...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...常陸(ひたち)那珂(なか)郡の山村ではツギノコといえば杉菜を意味し...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...杉菜はなるほど適切なしかも佳(よ)い名ではあるが...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...その杉菜の方言を調べて見ると...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...その他スギナ 遠江竜川村シギナ 越後粟生島スイナ 陸中種市(たねいち)スギグサ 陸前田代島ツギグサ 岩代伊達郡ツギナ 新潟県一部などが皆杉菜の方言である...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...仮に杉菜という方言が独立に始まったとしても...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...杉菜を馬の砂糖という...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...杉菜(すぎな)の中に静まっている自分の首を覗(のぞ)いて動かなかった...
横光利一 「日輪」
...新鮮な杉菜(すぎな)に抱かれた鹿や猪の肉の香物(こうのもの)が高々と盛られてあった...
横光利一 「日輪」
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