...垣もすっかり朽(く)ち果てて...
梅崎春生 「庭の眺め」
...天孫降臨に先ち、天降り、大蛇を誅戮し、国土を修理し、航海の法を教え、医療の途をはじめし、素盞嗚尊とその子孫との功労の大なるは、云うまでも無く、凶賊東西に起って、国民の人文に大なる障礎を与えんとせし時に、年少の身を以て、東西を平定せし、日本武尊の功績も亦た、永世不朽なり...
高木敏雄 「比較神話学」
...墓塔空しく雨露の爲に朽つ...
高山樗牛 「人生終に奈何」
...畑中にある民家でぼろぼろに腐朽しているらしく見えていながら存外無事なのがある...
寺田寅彦 「颱風雑俎」
...時おりのら猫(ねこ)がねらいに来るので金網のふたをかぶせてあったのがいつとなくさび朽ちて穴の明いているのをそのままにしてあった...
寺田寅彦 「藤棚の陰から」
...絶えず酔っ払いの馬方どもがよごしてゆく朽ちた板囲いがあり...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...橋が朽ちてゆらゆらするのでともすればこぼれさうになる...
中勘助 「銀の匙」
...清泉大石のもとを流る梧桐の庭ゆく水の流れ去る垣も朽ちねばいますかと思ふ巨椋(おほくら)の池の堤も遠山も淀曳く船も見ゆる此庵桃山の萱は葺きけむ此庵を秋雨漏らば掩はむや誰二十二日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...全く自分で自分を朽ちさせてしまうようだ...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...我れは此まゝ朽はてぬとも...
樋口一葉 「琴の音」
...『旅団長』及び『未丁年者』の両作に依つて文学史上不朽の名を残してゐる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...老朽したのりもので...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...草深きなかに訪ねし夢跡の寒きかなしさ朽ち柵に倚れば仄かに胸にしむ旅のうれひよ緑濃きなかに見出でし人の世のさぶしさ夢を皆遠く流せし北上が瞳にしみる...
森川義信 「高館」
...Pte non dolet.という・気高い・勇ましい・不朽の・言葉をいうと共に...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ずっとまえに朽ち倒れて...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...道しるべの朽ちた柱とを見ました...
吉川英治 「江戸三国志」
...朽(く)ち木を組んで宮殿となし...
吉川英治 「三国志」
...いくたの作品は彼を不朽にして来た...
吉川英治 「雪村筆「茄子図」」
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