...夜るの千朶(せんだ)山房は品詩論画の盛んなる弁難に更けて行った...
内田魯庵 「鴎外博士の追憶」
...(独帝(カイゼル)は英吉利と英吉利人とが大嫌ひである)直ぐいつもの癖を出して自分の耳朶(みゝたぶ)をいやといふ程引張つた...
薄田泣菫 「茶話」
...ぼく達の耳朶(じだ)に響(ひび)いたピストルは...
田中英光 「オリンポスの果実」
......
内藤鳴雪 「鳴雪句集」
...命にかけての――綱手殿、命をかけて――」月丸は、女の耳朶へ、時々、脣を触れさせつつ、微かに、だが、情熱的に囁いた...
直木三十五 「南国太平記」
...遠くの沖には彼方(かなた)此方(こなた)に澪(みを)や粗朶(そだ)が突立(つつた)つてゐるが...
永井荷風 「水 附渡船」
...彼(かれ)は凝然(ぢつ)と遠(とほ)くへ自分(じぶん)の心(こゝろ)を放(はな)つたやうにぽうつとして居(ゐ)ては復(また)思(おも)ひ出(だ)したやうに麁朶(そだ)をぽち/\と折(を)つて燻(く)べた...
長塚節 「土」
...可愛らしい耳朶(みみたぶ)が――...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...一朶(いちだ)の黒いものが手に残って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...右耳朶(みゝたぶ)に小豆粒ほどの黒子あり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...右の耳朶(みみたぶ)がなかったようで――」「それだけ分りゃあと一と押しだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ぽうッとしかも白粉(しろこ)を吹いたような耳朶(みみたぶ)の愛らしさ...
広津柳浪 「今戸心中」
...粗朶火を持たない左の手で...
宮本百合子 「田舎風なヒューモレスク」
...耳朶(みゝたぶ)にはアウリカルクムの輪が嵌めてある...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
...越前で朶(えだ)などといっていた小部落を垣内と公称し...
柳田國男 「地名の研究」
...ちょうど万朶(ばんだ)の雲を蹴ちらす日輪のようだった...
吉川英治 「三国志」
...すぐ美しい耳朶(みみたぶ)を鮮紅にした...
吉川英治 「新書太閤記」
...持たないでおくれ」耳朶(みみたぶ)を真(ま)っ紅(か)にして...
吉川英治 「松のや露八」
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