...耳朶(みみたぶ)に女の髪の毛が巻きついているじゃないか...
泉鏡花 「薄紅梅」
...兎のやうな耳朶(みゝたぶ)を拗(ちぎ)れる程引張られるかも知れないて...
薄田泣菫 「茶話」
...髯は首にも鼻の孔にも耳朶にも生い茂っているし...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「天才」
...恒雄は柔い女の耳朶を唇に挾んだ...
豊島与志雄 「囚われ」
...耳朶にはさんだ巻煙草の吸さしを取つて火をつけながら...
永井荷風 「勲章」
...隅(すみ)の方(はう)にちゞまつてりや何(なん)ともゆはねえな」勘次(かんじ)がついて居(ゐ)る間(あひだ)におつぎは枯粗朶(かれそだ)を折(をつ)て火鉢(ひばち)へ火(ひ)を起(おこ)した...
長塚節 「土」
...「松麁朶(まつそだ)で卅五把(は)ぢや相場(さうば)はさうでもねえが...
長塚節 「土」
...麁朶(そだ)の焔(ほのほ)が手(て)ランプに光(ひかり)を添(そ)へて居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...彼(かれ)は暫(しばら)く自失(じしつ)したやうにして居(ゐ)て麁朶(そだ)の火(ひ)が周圍(しうゐ)の闇(やみ)に壓(お)しつけられようとして僅(わづか)に其(そ)の勢(いきほ)ひを保(たも)つた時(とき)彼(かれ)はすつと立(た)ち上(あが)つた...
長塚節 「土」
...耳朶(みみたぶ)なぞへは間違ってもつけるような事はしないのである...
林芙美子 「晩菊」
...庭には歯朶や芭蕉が繁つて居り...
原民喜 「かげろふ断章」
...耳朶を打つのだろう? 一体...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...耳朶(みみたぶ)はうす青...
宮原晃一郎 「虹猫の話」
...歯朶はどうかすると野卑でつかはぬものであるが...
室生犀星 「故郷を辞す」
...それは世の書籍を骨董視する人々の朶頤(だい)すべき珍羞(ちんしう)であらう...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...朶思大王(だしだいおう)も孟獲兄弟も...
吉川英治 「三国志」
...耳朶(みみたぶ)を紅くし...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...一朶(いちだ)の紫雲かとまごう琵琶(びわ)の湖(みずうみ)を見出していたろうに――迅(はや)さは斗雲に劣らないまでも...
吉川英治 「宮本武蔵」
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