...簾を朱塗にして和風な雰囲気を出した...
...箱根の旅館で朱塗の湯船に入りながらくつろいだ...
...古い家屋の壁は朱塗で彩られている...
...朱塗の飾り物が似合う古風な茶室に招かれた...
...江戸時代の城郭では、門や石垣に朱塗が施されていた...
...さうして朱塗のやうな袖格子が...
芥川龍之介 「地獄變」
...女中が自分の膝側(ひざわき)に朱塗の櫓(やぐら)のやうな物を置いてゐるのを見つけた...
薄田泣菫 「茶話」
...その軸の前に置いてある朱塗の八足(はっそく)台の卓(しょく)も...
谷崎潤一郎 「細雪」
...朱塗りの小燭台のような...
外村繁 「澪標」
...立派な朱塗りの蓋(ふた)つきの茶台で私その他にも茶を出した...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...それを朱塗の丸行燈(まるあんどん)が及ぶ限り映して...
中里介山 「大菩薩峠」
...枕元の朱塗の盆に散薬(さんやく)の袋と洋杯が載(の)っていて...
夏目漱石 「門」
...すぐ来て下さい」「どうしたんだよ」朱塗の手筐は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...虞美人草(ぐびじんさう)のやうな見事な朱塗(しゆぬ)り...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...箱枕じゃないか」取出したのは朱塗りの女枕...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...朱塗(しゅぬり)の欄干(らんかん)をめぐらした廻廊に船をつけさせ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...酒と干し烏賊(いか)とを朱塗の膳(ぜん)にのせて運んで来た...
本庄陸男 「石狩川」
...私の家の前には甘酒屋が朱塗りの台の上へ金いろの釜を仕込んだ荷を下ろした...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...同じく壁にかけられている目の醒めるような派手なドレス――朱塗りの鳥籠に青い鸚鵡(おうむ)が一羽いても...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...曰く、「只今は入り口は開ツ放しでございますが、昔はなか/\儼しかつたもので、今も袴腰と云つて、石垣が残つて居りますが、彼所に黒門が二つ在て、池の端の方は町人でも誰でも往来が出来るが、山下の方は将軍家が上野へ御成りの時とか、諸大名が御代参にでも行く時でなければ開けません、其れに下寺(したでら)と云つて……今は通行路(とおり)に成つて居るが、彼所は三十六坊の寺の在つた所、又山王台と云ふ只今西郷さんの銅像の在る所は、山王の社があつて、其れには金箔を置た猿(やえん)と龍の彫刻(ほりもの)がございまして、実に立派な物であつたが、慶応四年の戦に一燼の灰となつてしまつた、黒門を入りまして、左の方が東照宮の御宮入口に門が有つて、其れで其所(そこ)には撞楼堂が在る、是れも亦焼けてしまつたが、今小松宮様の銅像がございますが、彼所が撞楼堂であつた、欄干に左り甚五郎の彫た龍があつて、其れが夜な/\池の端へ、水を飲みに行つたと噂をされた位、美事な彫物であつたが、之も歩兵が射出(うちだ)した鉄砲の為に、焼かれてしまつた、其れから中堂、此の中堂は金が費(かか)つて居た、欄干は総朱塗で、橋があつて之を天馬橋(ばし)、一名虹の橋と云つて、寔(まこと)に結構なもので、其れを正月の十六日と、盆の十六日には小僧の宿下りの日といふので、此の橋を渡らせる、実に立派な御堂であつたが、之も慶応の戦に焼けてしまつた、其れに今は屏風坂を登つて右の方に大師堂があるが、彼の大師様は三十六坊をグル/\廻つたもので、月の晦日と三日が縁日、今は御堂が出来て其堂(それ)へ落着いたが、以前(もと)は然(そう)ではない……宮様の御在(おいで)あそばす所は只今の博物館の所で、今日も門は残つて居ります、十月の二日には三十六坊を宮様が御廻りあそばす、其時は山同心が先に立つて、下に/\の制止声で、実に大層な御威光の有つたもの、此日は町人拝見勝手次第と云ふのですから、御山は人に埋るやう、然し宮様は、上輿(あげこし)で御出になり、御簾(みす)が下つて居るから何うして御顔を拝す事なぞは出来なかつたもの、モウ斯う云ふことは、今に誰も話す者がありますまいから、鳥渡茲に申述べて置きます……」云々...
正岡容 「下谷練塀小路」
...凝つた朱塗りの行灯の灯(ほ)かげ淡(あは)く...
正岡容 「吉原百人斬」
...内側は朱塗で屋号を焼印で押します...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...大きな傘を立てて朱塗りの箱を並べたぶどうもちの店...
山本笑月 「明治世相百話」
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