...遠慮もなく對手の札を拔く...
石川啄木 「鳥影」
...この贅沢の資本がもしスパイの報酬として請取(うけと)った金なら公々然と同志の前で札びらを切る事は豈夫(よも)出来なかったろう...
内田魯庵 「最後の大杉」
...これには「尾」という名札が貼りつけてあった...
海野十三 「地球盗難」
...――「ムッシュー・ヴォルデマールにも札を書いて上げてちょうだい」「それは不公平ですな」と...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...この像の仕上げのために喜捨を募るという張り札がしてある...
寺田寅彦 「先生への通信」
...その札をいつも私と争い...
豊島与志雄 「祭りの夜」
...私が札幌へ帰って色々と雑用に悩まされている間にも...
中谷宇吉郎 「雪後記」
...その中の富札だけを持って逃げ出したというのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...日本橋の御高札場と...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...二枚の手札で八人の者が御門を入れます」「――」平次の明智に服したか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私立尋常代用小学校という札の出たのは後のことで...
長谷川時雨 「渡りきらぬ橋」
...逸早く「この地所お望みの方は……」の立札がすまし込んでゐる...
羽田亨 「聚樂廻り」
...その脇に木の立札が立つてゐた...
原民喜 「永遠のみどり」
...ぶらぶらと札の辻の方へ近づくとこれだ...
原民喜 「街の断片」
...未来は必ず人間界に行かれるやう六道の辻へ目じるしの札を立てゝ下さいませ...
正岡子規 「犬」
...行厨(うちかひ)をかつぎいたくも疲れわが名前ある表札を幾たびか読みつつ去らんとはせずその小さき影ちぢまりわが部屋の畳に泌みきゆることなし...
室生犀星 「忘春詩集」
...降るのはお札ばかりでなく...
柳田国男 「故郷七十年」
...作り声なんぞをしてなんだね」「あんまりしんとしているからまたどこかの偽の藩札でもこしらえてるんじゃないかと思ってね...
山本周五郎 「新潮記」
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