...」――お札は、それは米袋に添えて三宝に調えてある、そのままでもよかったろうが、もうやがて近い……年頭御慶の客に対する、近来流行の、式台は悪冷(わるつめた)く外套を脱ぐと嚏(くさめ)が出そうなのに御内証(ごないしょう)は煖炉(だんろ)のぬくもりにエヘンとも言わず、……蒔絵の名札受(なふだうけ)が出ているのとは些(ち)と勝手が違うようだから――私ども夫婦と、もう一人の若い方、と云って三十を越えた娘……分か? 女房の義理の姪、娘が縁づいたさきの舅の叔母の従弟の子で面倒だけれど、姉妹分の娘だから義理の姪、どうも事実のありのままにいうとなると説明は止むを得ない...
泉鏡花 「遺稿」
...北海道札幌発行の『北門(ほくもん)新報』に鬼火探検談が掲げてあった...
井上円了 「おばけの正体」
...先に立って改札口を入って行く...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...改札口の駅員にちょっと礼をしてすぐ右手の構内の駅員室に消える...
高浜虚子 「丸の内」
...札所らしい気分になる...
種田山頭火 「行乞記」
...名札が取れて女がいなくなったにしても...
近松秋江 「狂乱」
...ハートの切札の時に勝つようにと...
豊島与志雄 「月明」
...与八の手から一枚の木札を受取ります...
中里介山 「大菩薩峠」
...米友がこの立札によって...
中里介山 「大菩薩峠」
...皆が札幌へ来てから二十日間というものは毎日晴天つづきで...
中谷宇吉郎 「映画を作る話」
...本宅は三番町の何処やらにて表札を見ればむむあの人の家かと合点のゆくほどの身分...
樋口一葉 「うつせみ」
...奥様のお実家は江戸一のお札差(ふださし)の越後屋(えちごや)...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...良人札木合(ジャムカ)のあなたに対する気持ちも...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...そして周章(あわただ)しく改札口を出るなり...
松本泰 「緑衣の女」
...灯をつけた夜汽車が入って来て改札のところでびっくりまなこを見はっているうち出てしまって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...出るとすぐ「名妓」という貼札が付いた...
山本周五郎 「新潮記」
...改札口の所には平井夫婦...
與謝野晶子 「帰つてから」
...札座横目の勝田新左衛門が机から...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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