...しかしどこをさがしてみてもすべての努力が全くむだなのを心では本能的に知っていた...
有島武郎 「或る女」
...彼もまた本能的に...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...英子は、有吉のことが気にかかりながらも、それを聞くには時機を待つがよいことを、本能的に感じて、と同時に、何だか薄ら淋しく、食事のことを思い出した...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...本能的に彼らの地位に身を置いていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...生活が本能的に持っている一面である...
豊島与志雄 「自由主義私見」
...山内へ振向いた一人が、その掠めた閃きに、本能的に、身を躱して、一足退ると、自分の横に、立っている一人が、頭から、赤黒い血を、顔一面に――何うして、そんなに、流れたかとおもうくらいに、血にそまりつつ、よろめき、よろつき、両手で、頭を押えて――眼だけを白く剥き出しつつ、だが、眼瞼に、血をためて、頭を先に、胸を先に、よろめいて、歩き出すと、二三歩で、顔を歪めて、草の上へ倒れるのを見た...
直木三十五 「南国太平記」
...本能的に厭ひであつて...
萩原朔太郎 「非論理的性格の悲哀」
...私の視線は本能的に熱心にその兄の顔の方に向けられた...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...そして自分の血のすべてがそれに本能的に反抗するにも拘らず...
堀辰雄 「「鎭魂曲」」
...本能的に両腕を前に出し...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...でもこれは本能的につよいものであり...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...本能的に前に進み久保に近づいて行つた...
三好十郎 「肌の匂い」
...本能的に全神経を耳に集中した...
夢野久作 「鉄鎚」
...本能的に用心深い足取りで...
夢野久作 「白菊」
...呉羽は本能的に飛退(とびの)いて...
夢野久作 「二重心臓」
...ほとんど本能的にすぐ頭を突きぬくものだった――敵の物見(ものみ)が信長の居陣(きょじん)の背後を探りに来たものと...
吉川英治 「新書太閤記」
...その人影へ本能的に引きよせられたまでのこと...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...そのため我々は本能的に反対側の戸口がないか目を走らせたのだが...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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