...彼女はオリンピックでの出場も果たしたが、金メダル獲得が本望だった...
...あの人は自分の息子にサラリーマンとして活躍して欲しかったが、息子が俳優になったのは本望ではなかった...
...父の晩年は家族に見捨てられ、孤独だったが、自分の選んだ道を貫くことが本望だったと語っていた...
...会社の経営者は利益最大化が本望だが、社員たちはそのために犠牲になっていることに怒りを感じている...
...時間に追われているが、出来るだけキレイに仕上げることが僕の本望だ...
...彼女も彼と馴染むことは本望(ほんまう)だつたのに違ひなかつた...
芥川龍之介 「貝殼」
...おぬしに殺されれば、わしも本望じゃ...
芥川龍之介 「偸盗」
...たゞ新田君に逢へば満足だ、本望だ...
石川啄木 「雲は天才である」
...和蘭陀の公子は本望(ほんもう)でせう……実は其が望みだつたらしいから――鸚鵡は多年馴(な)らしてあつて...
泉鏡花 「印度更紗」
...さぞ本望であろうがね...
泉鏡花 「海神別荘」
...或いは本望であるかも知れぬ...
戸坂潤 「社会時評」
...わしは本望じゃ」八郎太は...
直木三十五 「南国太平記」
...わたしはお前さんに殺されれば本望でございます」そこへ縋(すが)りついたのはお豊ではありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...丸屋の後添いになるのは本望ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お前も本望ぢやないか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――でも親分を助けさえすれば本望だ」「何をつまらねエ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私は本望だよ」「…………」「えッ...
野村胡堂 「礫心中」
...何より先に私が身の自堕落を承知してゐて下され、もとより箱入りの生娘(きむすめ)ならねば少しは察してもゐて下さろうが、口奇麗な事はいひますともこのあたりの人に泥の中の蓮(はす)とやら、悪業(わるさ)に染まらぬ女子(おなご)があらば、繁昌どころか見に来る人もあるまじ、貴君は別物、私が処へ来る人とても大底(たいてい)はそれと思(おぼ)しめせ、これでも折ふしは世間さま並の事を思ふて恥かしい事つらい事情ない事とも思はれるも寧(いつそ)九尺二間でも極(き)まつた良人(おつと)といふに添うて身を固めようと考へる事もござんすけれど、それが私は出来ませぬ、それかと言つて来るほどのお人に無愛想もなりがたく、可愛いの、いとしいの、見初(みそめ)ましたのと出鱈目(でたらめ)のお世辞をも言はねばならず、数の中には真(ま)にうけてこんな厄種(やくざ)を女房(にようぼ)にと言ふて下さる方もある、持たれたら嬉しいか、添うたら本望か、それが私は分りませぬ、そもそもの最初(はじめ)から私は貴君が好きで好きで、一日お目にかからねば恋しいほどなれど、奥様にと言ふて下されたらどうでござんしよか、持たれるは嫌なり他処(よそ)ながらは慕はしし、一ト口に言はれたら浮気者でござんせう、ああこんな浮気者には誰(た)れがしたと思召(おぼしめす)、三代伝はつての出来そこね、親父(おやぢ)が一生もかなしい事でござんしたとてほろりとするに、その親父さむはと問ひかけられて、親父は職人、祖父(ぢぢい)は四角な字をば読んだ人でござんす、つまりは私のやうな気違ひで、世に益のない反古紙(ほごがみ)をこしらへしに、版をばお上(かみ)から止められたとやら、ゆるされぬとかにて断食して死んださうに御座んす、十六の年から思ふ事があつて、生れも賤しい身であつたれど一念に修業して六十にあまるまで仕出来(しでか)したる事なく、終(おはり)は人の物笑ひに今では名を知る人もなしとて父が常住歎(なげ)いたを子供の頃より聞知つておりました、私の父といふは三つの歳(とし)に椽(えん)から落て片足あやしき風になりたれば人中に立まじるも嫌やとて居職(いしよく)に飾(かざり)の金物(かなもの)をこしらへましたれど、気位たかくて人愛(じんあい)のなければ贔負(ひいき)にしてくれる人もなく、ああ私が覚えて七つの年の冬でござんした、寒中親子三人ながら古裕衣(ふるゆかた)で、父は寒いも知らぬか柱に寄つて細工物に工夫をこらすに、母は欠けた一つ竈(ぺツつい)に破(わ)れ鍋(なべ)かけて私にさる物を買ひに行けといふ、味噌こし下げて端(はし)たのお銭(あし)を手に握つて米屋の門(かど)までは嬉しく駆けつけたれど、帰りには寒さの身にしみて手も足も亀(かじ)かみたれば五六軒隔てし溝板(どぶいた)の上の氷にすべり、足溜(あしだま)りなく転(こ)ける機会(はづみ)に手の物を取落して、一枚はづれし溝板のひまよりざらざらと翻(こぼ)れ入れば、下は行水(ゆくみづ)きたなき溝泥(どぶどろ)なり、幾度(いくたび)も覗(のぞ)いては見たれどこれをば何として拾はれませう、その時私は七つであつたれど家(うち)の内(うち)の様子、父母(ちちはは)の心をも知れてあるにお米は途中で落しましたと空(から)の味噌こしさげて家には帰られず、立(たつ)てしばらく泣いていたれどどうしたと問ふてくれる人もなく、聞いたからとて買てやらうと言ふ人は猶更(なほさら)なし、あの時近処に川なり池なりあらうなら私は定(さだめ)し身を投げてしまひましたろ、話しは誠の百分一、私はその頃から気が狂つたのでござんす、皈(かへ)りの遅きを母の親案じて尋ねに来てくれたをば時機(しほ)に家へは戻つたれど、母も物いはず父親(てておや)も無言に、誰(た)れ一人私をば叱(しか)る物もなく、家(うち)の内森(しん)として折々溜息(ためいき)の声のもれるに私は身を切られるより情なく、今日は一日断食にせうと父の一言いひ出すまでは忍んで息をつくやうで御座んした...
樋口一葉 「にごりえ」
...」「汝は美女に愛さるゝのが本望なのか...
牧野信一 「闘戦勝仏」
...此上もなく懦弱で臆病で艶麗な王の命令で神通蛮勇の猿が悪魔と戦ふ……それが為に悪魔に斃されてしまつても、ちよつとでもいゝから王が親しみの色を示して呉れたら、本望だ、と思つた...
牧野信一 「闘戦勝仏」
...おいらは本望だ」「いよいよ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...元より、本望の事と、驚きもせず、わしの両腕を捻(ね)じ上げた兵たちへ、声高に訴えた...
吉川英治 「茶漬三略」
...本望なことであろうの)と...
吉川英治 「べんがら炬燵」
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