...本当に静かに、おとなしくしてゐますよ...
伊藤野枝 「書簡 大杉栄宛」
...本当に心外に思ひます...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一四年一月号)」
...その他本当に一緒に寝た女のことは一度も思いだしはしなかった...
大杉栄 「日本脱出記」
...いや、それは本当に、わからないものですよ...
太宰治 「嘘」
...本当に奥様お辛(つろ)うございますねエ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...そしてその時は又評論が本当に組織的にもなる時なのである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...本当に眼覚めると...
豊島与志雄 「月明」
...本当に、直接(じか)に、心に沁(し)みて感じられるもの、それのみが私を、(或いは芸術家を)行為にまで動かし得るのだ...
中島敦 「光と風と夢」
...俗界万斛(ばんこく)の反吐皆動(どう)の一字より来(きた)る」「何だ本当に吐くつもりじゃないのか...
夏目漱石 「虞美人草」
...これは本当に生身の大日如来かな...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...――本当に災難でございました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私は何にも知りません――そんな事が本当にあるでしょうか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...みなが本当にするじゃないか...
久生十蘭 「魔都」
...インガはドミトリーを本当に愛しているのであった...
宮本百合子 「「インガ」」
...本当にそのひとの云う通りであると思う...
宮本百合子 「女の歴史」
...本当に新鮮な文学の土壤ではなくて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...本当に駄目なときがあるんだ...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...「それならいいじゃないか」肥えた客はまた莨盆(たばこぼん)を取って煙草に火をつけた、「――眼の前で数えて眼の前で包んで、手から手へじかに渡したんだ、受取ったあとでおまえさんがなにをしたか」「いいえ決して、とんでもない、私はなんにもしないんです」彼は激しく首を振り、「――私はなにもしません、本当に、決してです」また向うで誰かが失笑した、客はからかうように煙をふうと吐きながら云った...
山本周五郎 「雪の上の霜」
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