...此本宅には留守居の祖母が唯一人...
石川啄木 「葬列」
...御本宅の英吉様の御朋友ですから...
泉鏡花 「婦系図」
...本宅は人手にわたり...
心猿 「露伴忌」
...ついで東海堂主人の本宅に招ぜらる...
高浜虚子 「五百五十句」
...入れ替らせて本宅で使うことにした...
徳田秋声 「足迹」
...富士見町は本宅で...
徳田秋声 「縮図」
...松金の本宅から使いの者が来た...
戸田豊子 「鋳物工場」
...暫くして手製の大炬火(おおたいまつ)を持った神尾主膳は、土蔵に燃えている火を持って来て、本宅の戸と、障子と、襖(ふすま)と、唐紙(からかみ)へうつしはじめました...
中里介山 「大菩薩峠」
...暁方(あけがた)近くなって、お絹をはじめ踊りに出た連中が帰って見た時分には、土蔵も、本宅も、物置の類(たぐい)も、すっかり焼け落ちていました...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分の本宅へ帰って眠るというわけではないにきまっている...
中里介山 「大菩薩峠」
...本宅へ入つて下女代りに働いてゐたんださうですよ」ガラツ八はすつかりお仲贔屓(びいき)になつた樣子です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...自動車の小さな修理工場とガレージのついたランドリュの本宅があって...
久生十蘭 「青髯二百八十三人の妻」
...なにもかも後の祭りで……御本宅の奥さまとご子息さまが七時三十五分の浜松行にお乗りになったそうですから...
久生十蘭 「肌色の月」
...御本宅へお帰りになったというのにまだお召換えもなさらずに」岩井は今までハッチソンが掛けていた椅子に腰をおろすと...
久生十蘭 「魔都」
...ご本宅へお帰りになったのではなかったのかと訊ねると...
久生十蘭 「魔都」
...守(かみ)の本宅のほうにも隠して住ませておくことはできたのであるが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...あの水瓶(すゐびん)はもう疾(と)つくに君の本宅の方へ届けて置いた...
クスミン Mikhail Alekseevich Kuzmin 森林太郎訳 「フロルスと賊と」
...御本宅へは、爺やを知らせにやりましたから、爺やと一緒に、奥さんが来るかも知れません」「何でそんな惨事を起したのか、おまえ知らんのか」「旦那さんが、手を切るといったからです」「手を切るといったぐらいで、そんなことにもなるまいが」「深いことは知りませんけれど、こちらのおくさんの方は元、神風楼(しんぷうろう)で花魁(おいらん)をしていたのを、旦那様が身うけして、ここへ囲ったのだと伺いました...
吉川英治 「旗岡巡査」
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