...一本々々見ると、みんな同じように金色に光っているのですが、三本一しょにならべると、女の顔を画(か)いた一まいの画(え)になるのでした...
鈴木三重吉 「黄金鳥」
...一本々々のオォルに水が青い油のように...
田中英光 「オリンポスの果実」
...一本々々毛の先を綺麗(きれい)に揃(そろ)えて...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...五本ノ趾ヲ一本々々握ッテ見タ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...一本々々きぬいとをならべたような...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...人間の毛髮の一本々々を根元から吹きほぢつて行くやうな冷めたい風が吹いて來た...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...昔「アイヌ」ノ日本々州ヨリ北海道ノ地ニ移リ來リシヤ...
坪井正五郎 「石器時代總論要領」
...それを真面(まとも)に受けた大尉の垢(あか)じみた横顔には剃(そ)らない無性髯(ぶしょうひげ)が一本々々針のように光っている...
永井荷風 「深川の唄」
...麻繩を一本々々切りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...文句は一本々々次第に激しくなつて五本目などは噛みつくやうだぜ」「それが惡戯(いたづら)でせうか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...指が一本々々笑くぼが寄つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...庭木の一本々々にも...
林芙美子 「風媒」
...是では暑くて不可ませんと明治初年に津田仙が大久保内務卿に勧めて樗櫪の才と云って支那では貶してゐる樗(あふち)一名臭椿(くそつばき)の樹を平河門附近の濠端に植えたら一本々々枯れて今は内務省裏に二三本残存してゐる...
牧野富太郎 「植物記」
...同時に此がこの日本々来の余情でもあること...
正岡容 「寄席風流」
...床几(しょうぎ)に上り「前髪を一本々々抜いてぬたにしてくつてしまふぞ...
三木竹二 「いがみの権太」
...板に鉋をかける機械や大きな欅の丸木を荒挽(あらびき)する機械や上下の車輪に張り渡されて非常な速さで廻転してゐる鋭利なリボン鋸や水車のやうに廻転してゐる車鋸や鋸の歯を一本々々金剛砂砥(こんがうしやと)で研(みが)いてゐる人間よりも巧妙なる機械やを私は一つとして感心せないで見ることは出来なかつた...
宮地嘉六 「ある職工の手記」
...歯車の歯糞(はくそ)をも一本々々こそぎ落して磨(みが)いたり...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...釘も一本々々鍛つたむかしの角釘がつかつてあつた...
吉川英治 「折々の記」
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