...クログスタット 何ですと?リンデン 一本々々の帆柱に縋りついてゐるよりか...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...一本々々生きた髪の毛を植ゑつけて欲しいと言ひ出したら何(ど)うするだらう...
薄田泣菫 「茶話」
...そして松のチカ/\ととがつた針のやうな葉の一本々々にも白銀の粉でもふりかけたやうに美しく霜が光るのである...
相馬泰三 「夢」
...一本々々毛の先を綺麗(きれい)に揃(そろ)えて...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...五本ノ趾ヲ一本々々握ッテ見タ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
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峠三吉 「原爆詩集」
...本雨(ほんあめ)といひ糊紅(のりべに)の仕掛(しかけ)といふが如き舞台における極端なる部分的の写実は浮世絵師が婦女の頭髪と降雨(こうう)とを一本々々に描きたるに比すべし...
永井荷風 「江戸芸術論」
...格子戸(かうしど)の格子(かうし)を一本々々一生懸命に磨(みが)いて居(ゐ)るのもある...
永井荷風 「すみだ川」
...それを真面(まとも)に受けた大尉の垢(あか)じみた横顔には剃(そ)らない無性髯(ぶしょうひげ)が一本々々針のように光っている...
永井荷風 「深川の唄」
...一本々々判で押したやうに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...田の畦(あぜ)一本々々...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...文句は一本々々次第に激しくなつて五本目などは噛みつくやうだぜ」「それが惡戯(いたづら)でせうか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その釘を一本々々調べて行く内...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そこの窓から眺められるかぎりの雑木の一本々々の枝ぶりなどを見ながら...
堀辰雄 「楡の家」
...肋骨が一本々々めりこんで行ったのだ!)飢えた昔のアヂトを夢みながらむしょうに友がなつかしくなった太陽!―――赤い自画像の中に写しとった歓呼する焔は世界の乾板の上に出没する友の肖像を灼きつけたおゝ...
槇村浩 「青春」
...床几(しょうぎ)に上り「前髪を一本々々抜いてぬたにしてくつてしまふぞ...
三木竹二 「いがみの権太」
...その手巻の煙草の一本々々に『ゆかり』といふハンコをおして専売局製の『ひかり』に見せかけようとの思ひつきであつた...
宮地嘉六 「老残」
...釘も一本々々鍛つたむかしの角釘がつかつてあつた...
吉川英治 「折々の記」
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