...クログスタット 何ですと?リンデン 一本々々の帆柱に縋りついてゐるよりか...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...庭前の松の葉が一本々々数えられたとソムナンビュリストの夢のような事をいったりした...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...私は童心に歸つて、それを一本々々、右手で摘んでは左手に束ねてゆく...
海野十三 「恐怖について」
...克明にも松の葉を一本々々つけてゆく...
薄田泣菫 「茶話」
...そして松のチカ/\ととがつた針のやうな葉の一本々々にも白銀の粉でもふりかけたやうに美しく霜が光るのである...
相馬泰三 「夢」
...一本々々毛の先を綺麗(きれい)に揃(そろ)えて...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...人間の毛髮の一本々々を根元から吹きほぢつて行くやうな冷めたい風が吹いて來た...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...本雨(ほんあめ)といひ糊紅(のりべに)の仕掛(しかけ)といふが如き舞台における極端なる部分的の写実は浮世絵師が婦女の頭髪と降雨(こうう)とを一本々々に描きたるに比すべし...
永井荷風 「江戸芸術論」
...格子戸(かうしど)の格子(かうし)を一本々々一生懸命に磨(みが)いて居(ゐ)るのもある...
永井荷風 「すみだ川」
...只その音が一本々々の毛が鳴って一束の音にかたまって耳朶(じだ)に達するのは以前と異なる事はない...
夏目漱石 「幻影の盾」
...格子(かうし)一本々々にも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...庭木の一本々々にも...
林芙美子 「風媒」
...そこの窓から眺められるかぎりの雑木の一本々々の枝ぶりなどを見ながら...
堀辰雄 「楡の家」
...この倉庫の白い柱組みの一本々々も例外なしに染め分けられていた...
本庄陸男 「石狩川」
...是では暑くて不可ませんと明治初年に津田仙が大久保内務卿に勧めて樗櫪の才と云って支那では貶してゐる樗(あふち)一名臭椿(くそつばき)の樹を平河門附近の濠端に植えたら一本々々枯れて今は内務省裏に二三本残存してゐる...
牧野富太郎 「植物記」
...肋骨が一本々々めりこんで行ったのだ!)飢えた昔のアヂトを夢みながらむしょうに友がなつかしくなった太陽!―――赤い自画像の中に写しとった歓呼する焔は世界の乾板の上に出没する友の肖像を灼きつけたおゝ...
槇村浩 「青春」
...その手巻の煙草の一本々々に『ゆかり』といふハンコをおして専売局製の『ひかり』に見せかけようとの思ひつきであつた...
宮地嘉六 「老残」
...梅や椿は一本々々に枝振りが変っているので...
柳田國男 「日本の伝説」
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