...むしろ末枯(うらが)れそめた葉蔭に露わに姿を現わしている瓜や南瓜の方が多く心にとまるようになるのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...末枯の蓼の穗や背丈にも延びた唐人草がザラ/\と提灯にさはる...
長塚節 「利根川の一夜」
...郷に入り鬼怒川を過ぐ異郷もあまた見しかど鬼怒川の嫁菜が花はいや珍らしきわせ刈ると稻の濡莖ならべ干す堤の草に赤き茨の實我がいへにかへりてめづらしき蝦夷の唐茄子蔓ながらとらずとぞおきし母の我がため唐茄子は廣葉もむなし雜草(あらぐさ)の蚊帳釣草も末枯にして明治三十九年鬼怒沼の歌上脚にカルサン...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...初冬の江戸の町は往來の人までが妙に末枯(うらが)れて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...末枯(うらが)れた僅かばかりの雜草を染めて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...足もとには末枯れた春日歯朶や厚い青苔がふかふかとあつたかい...
橋本多佳子 「椎の実」
...層一層とおもしろかった(この男が久保田万太郎氏の『末枯』の扇朝...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...久保田万太郎先生の「末枯」には三橘の名で...
正岡容 「寄席」
...草鞋の緒きれてよりこむ薄かな末枯や覚束なくも女郎花熱海に着きたる頃はいたく疲れて飢に逼(せま)りけれども層楼高閣の俗境はわが腹を肥やすべきの処にあらざればここをも走り過ぎて江(え)の浦(うら)へと志し行く...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...「末枯(うらがれ)」「さざめ雪」「三の切(きり)」「冬至」「影繪」「夏萩」「潮の音」「老犬」の八篇...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...「末枯(うらがれ)」の中の人物...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...「末枯」も「老犬」も「さざめ雪」も「三の切」も...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...これが「末枯」の冒頭である...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...「末枯」のうまみを細かく味はつてゐるときりが無い...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...「末枯」の作者久保田万太郎君は...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...朝夕の霜で末枯れはじめたいら草の小径をのぼってゆくと...
宮本百合子 「女靴の跡」
...そのとくさの一むれの蒼さは末枯れの庭をしつかりと調子を高めてゐた...
室生犀星 「故郷を辞す」
...末枯れの下葉をそよがせていたばかりでなく...
室生犀星 「幼年時代」
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