...小賢(こざか)しき末の世に生れあひて...
ステファンヌ・マラルメ Stephane Mallarme 上田敏訳 「エロディヤッド」
...友を賣り人を詐る末の世と思へば...
高山樗牛 「瀧口入道」
...如何に末の世とは言ひながら...
高山樗牛 「瀧口入道」
...源流(げんりう)すでに遠くして濁波(だくは)を揚ぐる末の世に無言の教宣りつゝも有情(うじやう)の涙誘へるか...
土井晩翠 「天地有情」
...変り行く末の世ながら「いにしへ」を...
永井荷風 「妾宅」
...愚癡の僧も末の世には仏の如く尊むことになっている...
中里介山 「法然行伝」
...末の世の尽きて、その末の世の残るまでと誓いたる、クララの一門に弓をひくはウィリアムの好まぬところである...
夏目漱石 「幻影の盾」
...日本駄右衞門、雲切仁左衞門、鼠小僧、神道徳次郎、曰(いは)く某曰く某と、幕末の世界では、芝居と講釋の英雄にさへなつてしまひましたが、本質的には、百兩盜んで十兩惠(めぐ)む程度で、今日の税金よりは、餘つ程安い冥加(みやうが)金で、市民達のヒロイズムを滿足させたわけです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...拝殿の百歩の地にて末の世は油煙をあぐる甘栗の鍋昭和十年作者夫妻は鎌倉の海浜ホテルで最後の正月を過ごされた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...この末の世にあまりに美し過ぎたあの人は? うつくしい市イメーン・マカは何処にあります? レッド・ブランチの光栄(ほまれ)はどこにあります? 王となるべきであったコルマック・コンリナスはどこにおられます? 一国となるべきであった愛蘭(アイルランド)は今どうなっております?コノール (しゃがれ声にて)わしが王であった為に...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「ウスナの家」
...散って萎(しお)れる末の世のかなしみの気配をば...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...「笛竹に吹きよる風のごとならば末の世長き音(ね)に伝へなん私はもっとほかに望んだことがあったのです」と柏木は言うのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その時から申せばずっと末の世になりまして...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...無始(むし)の昔から無限の末の世まで...
柳田国男 「こども風土記」
...清に敗れた明末の世と...
吉川英治 「折々の記」
...法(のり)の水 あさくなりゆく末の世をおもへばさむし比叡(ひえ)の山かぜ武蔵はじっとその前に立ちつくしていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...末の世にも聞き伝へて...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...おのが子の「末の世を思ふ故」である...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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