...七月の末つ方、陸上の人は炎熱に堪へざらむ...
大町桂月 「月の東京灣」
...*秋の末つ方月の一夜洛東華頂山境内に笛の音をききて咏める鳰の淨め夏(なつ)なかの榮(さか)えは過(す)ぎぬ...
薄田淳介 「白羊宮」
...十三と云う歳の五月の末つ方(かた)...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...〔千八百六十九年末つ方〕太陽と肉体太陽...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...そうそうするうちに、その月の末つ方、殿の御物(おもの)は成人の拳ほどの大きさに生長いたした...
久生十蘭 「玉取物語」
...ことは皆病まざりし日に比べられ心の動く春の暮かな十二年の春四月の末つ方大磯でかりそめの病に伏した時の作の一つ...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...此両記幽斎紀行は天正十五年勝俊は天正末つ方也...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...去る程に其の春の末つ方の事なりけり...
夢野久作 「白くれない」
...半信半疑のまゝ当日の模様を見物に行くに、時は春の末つ方、夏もまだきの晴れ渡りたる空の下、燕飛び交ふ稲佐の浜より、対岸(むかうぎし)の諏訪様のほとりまで、道といふ道、窓といふ窓、屋根といふ屋根には人の垣を築きたるが如く、その中に海に向ひて三日月形に仕切りたる青竹の矢来に、警固、検視の与力、同心、目附、目明(めあかし)の類、物々しく詰め合ひて、毬棒(いがばう)、刺叉(さすまた)林の如く立並べり...
夢野久作 「白くれない」
...春の末つ方からこの冬の暮まで...
吉川英治 「宮本武蔵」
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