...恰(あたか)も父母(ふぼ)未生前(みしやうぜん)より小説や戯曲に通じてゐたやうに滔滔(たうたう)...
芥川龍之介 「変遷その他」
...また「天と地の未生以前に存在した渾沌たる組成のある物」...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...16掌(て)はみづにかくれ微風(そよかぜ)の夢をゆめみる未生(みしやう)の薔薇の花...
大手拓次 「藍色の蟇」
...これは俳句未生(みしょう)以前本来の面目である...
高浜虚子 「俳句への道」
...薄端(うすばた)に未生(みしょう)流らしい矯(た)め方をした葉蘭(はらん)が活(い)けてある床の間を向いて跪(ひざまず)き...
谷崎潤一郎 「細雪」
...未生以前の記憶をよび起そうと努力するような...
中谷宇吉郎 「湯川秀樹さんのこと」
...やはり父母未生(ふもみしょう)以前に受けた記憶と情緒(じょうしょ)が...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...また父母未生(ふぼみしょう)以前(いぜん)と云う稀有(けう)な問題を眼の前に据(す)えて...
夏目漱石 「門」
...さうして父母(ふぼ)未生(みしやう)以前(いぜん)と...
夏目漱石 「門」
...未生(みしょう)前からの約束でな...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...……もっと快活で元気のよかった昔の事が未生前(みしょうぜん)の時代のように心に浮んだ...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...夜の来た硝子の窓には背に燈火を負う私の姿が万年筆の金冠のみを燦然と閃かせ未生の夢に包まれたようにくろく 静かに 写って居る...
宮本百合子 「海辺小曲(一九二三年二月――)」
...明に未生(みしやう)の人物となる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...真の茶には「茶未生」の面目がなければならぬ...
柳宗悦 「民藝四十年」
...父母未生以前の因果...
夢野久作 「鼻の表現」
...父母未生前などといふ重寶な語をもつてゐるが...
吉川英治 「折々の記」
...未生(みしょう)からすでに宿してきた性慾...
吉川英治 「宮本武蔵」
...仏教の“父母未生以前”も...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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