...オーク材の鋸クズおよびハシバミの殻によって未熟な赤ワインにさらに収斂性を与えること...
フレデリック・アークム Fredrick Accum 水上茂樹訳 「食品の混ぜ物処理および調理の毒物(1820)」
...未熟な作家の一人なる私の考へが...
有島武郎 「水野仙子氏の作品について」
...未熟ながらいかにも膝を正して認めたらしい書体で...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...人間はどうかすると未熟な科学の付け焼き刃の価値を過信して...
寺田寅彦 「沓掛より」
...私が繪筆をとり初めてから五年目である事も正直にかいて置いた事故未熟な繪も...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...この漢文式に「円熟」した熟語か又は未熟な「術語」の効果を利用しているだろうが...
戸坂潤 「思想としての文学」
...いつも不完全な未熟な知識のことをしか意味しない...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...自分の手腕の未熟なばかりでない...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...「拙者は、もとは江戸ですが、諸国を歩いて、昨日松本から、これへやって来ました」「左様でございますか」久助は、こくめいに頭を下げると、村田が引取って、「時に、あなた様は武者修行ですか」と兵馬に、これもはじめて反問を試むると、兵馬も心得て、「まあ、武者修行と申せば、武者修行のようなものでございましょう、未熟ながら、剣術稽古を兼ねての諸国の旅です」剣術修行を兼ねて仇討(あだうち)の旅でございます、とも言えないから、素直にこう言うと、村田が、「ははあ、それはお若いに御殊勝のことでございますな...
中里介山 「大菩薩峠」
...全く後から考えると汗顔のほかは無い・未熟な精神的擬態を採ることがあるものだ...
中島敦 「斗南先生」
...また自分の未熟なところを発表するようだが...
夏目漱石 「坑夫」
...自費出版の形式で『面影』と云う未熟な詩集を出しました...
林芙美子 「文学的自叙伝」
...これほどのスクープをたとい未熟なりといえども雑報記者の端くれなる古市加十が雲煙看過しているものであろうか...
久生十蘭 「魔都」
...五私が未熟な落語家時代...
正岡容 「落語家温泉録」
...いわんやそれが私という未熟な駄寿司たるにおいておや...
正岡容 「わが寄席青春録」
...偶然にかけられている未熟な粗野な社会であるともいえるのである...
宮本百合子 「幸福の感覚」
...幾冊かの本が未熟なものながら心の遍歴の跡を語っているが...
柳宗悦 「四十年の回想」
...未熟な技(わざ)をかこつこともござるが...
吉川英治 「剣難女難」
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