...当時の政治家どもが未熟な政治的空想を捏(でっ)ちて小説家顔するを片腹(かたはら)痛く思って...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...彼は未熟なる知識を糧(かて)とせる乳臭児(ちくさご)の襲撃を受けて...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...未熟ながらいかにも膝を正して認めたらしい書体で...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...焼き方が難しいから未熟な私の手に若干負えないせいもあるけど...
高見順 「如何なる星の下に」
...未熟な身でそうした神境(しんきょう)におることが勿体(もったい)ないように思われだした...
田中貢太郎 「神仙河野久」
...誰か未熟な田舎の彫刻師の作ったものであったが...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...其うちに私は持前の押しの強さが頭をもたげた『未熟な私が一人で描くのでない...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...その未熟な歩兵は活気を有していた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...また自分の未熟なところを発表するようだが...
夏目漱石 「坑夫」
...未熟な少女心とは云へ見当違ひもひどかつた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...それであるから世間の知つてゐる晶子歌は若い頃の比較的未熟なものに限られることになり...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...未熟なピアノの音が幻のやうに響いて来ました...
牧野信一 「蛍」
...何ら首をひねつてもおもしろくもない未熟なるものゝなかに...
牧野信一 「浪曼的月評」
...いわんやそれが私という未熟な駄寿司たるにおいておや...
正岡容 「わが寄席青春録」
...実にこの唄はまるで未熟なお稽古(けいこ)娘が口ずさんでいるようで...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...それをこそむしろ未熟なる智慧とも呼び得よう...
柳宗悦 「工藝の道」
...未熟な腕前で他流試合を望みなど致すから...
吉川英治 「剣難女難」
...あわれ未熟な新九郎を不愍(ふびん)と思(おぼ)してご教訓願わしゅうぞんじます」「オオ...
吉川英治 「剣難女難」
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