...「未熟な身が、何時(いつ)までもこの霊窟におりますのは勿体のうございますから、お別れいたしたいと思いますが、このうえとも御指教(ごしきょう)を願います」「それでは、今日は帰るがよかろう、そこまで見送ってやろう」寿真は河野を伴(つ)れて岩屋を出た...
田中貢太郎 「神仙河野久」
...生命の起元に関する未熟な私見を述べた際に...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...本書の扉の未熟な繪を見られる方々は...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...人間が素人としてもつ常識性は専門性――科学性――とは独立な独自の原理を意味しているのであり(今の場合の常識――常識一般――は決して単に科学前の未熟な知識を意味するのではない)...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...相ひ變らず昔の未熟なままであり...
萩原朔太郎 「室生犀星に與ふ」
...自費出版の形式で『面影』と云う未熟な詩集を出しました...
林芙美子 「文学的自叙伝」
...未熟な性情が迸出(へいしゅつ)を阻んでいたのに過ぎない...
久生十蘭 「湖畔」
...これほどのスクープをたとい未熟なりといえども雑報記者の端くれなる古市加十が雲煙看過しているものであろうか...
久生十蘭 「魔都」
...蓋(けだ)し男女交際法の尚(な)お未熟なる時代には...
福沢諭吉 「新女大学」
...そしてそれには少しも未熟なところがなかつたのである...
堀辰雄 「レエモン ラジィゲ」
...そしてこの莢の未熟なときは肉質で赤色を呈している...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...自由民権を、欽定憲法によってそらした権力は、この一つの小規模な、未熟な、社会主義思想のあらわれを、できるだけおそろしく、できるだけ悪逆なものとして扱って、封建風のみせしめにした...
宮本百合子 「現代の主題」
...未熟な社会的諸条件――その下にあの芸術が成り立ち...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...未熟な青年輩(はい)が老成の大家に向って讒誣罵詈(ざんぶばり)の文字を並べたり...
村井弦斎 「食道楽」
...未熟な腕前で他流試合を望みなど致すから...
吉川英治 「剣難女難」
...見かけ倒しの未熟なパルプフィクションでもなければ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「怪奇小説の執筆についての覚書」
...これらの未熟な研究も幾分の参考となるであろう...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...自分はこの未熟な叙述が学界を益し得るとは期待しかねていたのであるが...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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