...当時の政治家どもが未熟な政治的空想を捏(でっ)ちて小説家顔するを片腹(かたはら)痛く思って...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...未熟な身でそうした神境(しんきょう)におることが勿体(もったい)ないように思われだした...
田中貢太郎 「神仙河野久」
...「未熟な身が、何時(いつ)までもこの霊窟におりますのは勿体のうございますから、お別れいたしたいと思いますが、このうえとも御指教(ごしきょう)を願います」「それでは、今日は帰るがよかろう、そこまで見送ってやろう」寿真は河野を伴(つ)れて岩屋を出た...
田中貢太郎 「神仙河野久」
...こんな未熟な国民性がそのままに固定してよかろうはずがない...
津田左右吉 「陳言套語」
...又此れに反して勢のいゝのは日毎の變化が餘りにはげしくて未熟なものゝ手に合はなかつた...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...以上未熟な考察の一部をしるして貴重なる本誌の紙面をけがし読者からのとがめを招くであろうことを恐れる...
寺田寅彦 「量的と質的と統計的と」
...地上的な苦しみや悩みを消していただくために神を信ずるのは未熟な信仰である...
永井隆 「この子を残して」
...未熟な私は双方の学校を懸持(かけもち)しようなどという慾張根性(よくばりこんじょう)は更(さら)になかったにかかわらず...
夏目漱石 「私の個人主義」
...未熟な酒の酔といっしょに一時に発し...
久生十蘭 「湖畔」
...未熟な性情が迸出(へいしゅつ)を阻んでいたのに過ぎない...
久生十蘭 「湖畔」
...これほどのスクープをたとい未熟なりといえども雑報記者の端くれなる古市加十が雲煙看過しているものであろうか...
久生十蘭 「魔都」
...ダンテは「未熟なるもののパンは苦(にが)く...
プーシキン Alexander S Pushkin 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...未熟な女學生の家庭教師三千人のうちの三人だつて...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...……これらの未熟な佛蘭西語で書かれた即興詩だけではこの大いなる詩人の全貌が窺へないことは云ふを俟たない...
堀辰雄 「ノオト」
...まだ年ばえも未熟な小冠者(こかんじゃ)...
吉川英治 「新書太閤記」
...御仏がではない――つまり自分たちの修行が未熟なためだ...
吉川英治 「親鸞」
...殊にまだ二十歳(はたち)前の未熟なうちから...
吉川英治 「宮本武蔵」
...これらの未熟な研究も幾分の参考となるであろう...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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