...罪悪を未然に防ぐべき宗教道徳がいらぬと同じく罪悪を未然に制すべき法律も全く必要がない...
丘浅次郎 「理想的団体生活」
...その失敗を未然に免れしめることが出来た...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...台風の襲来を未然に予知し...
寺田寅彦 「天災と国防」
...事件は未然に防止されたから...
戸坂潤 「社会時評」
...くだらないことをいうのさ! そして犯罪を未然に察したとか...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...彼に私達のひどく間違った結婚の当然の成り行きを見せないで済ますことは出来ないものかしら? どうして彼はそれを未然に防げなかったのでしょう? 彼が私達のためにそこまで考えるのは無理だったのかしら? 今では私もそれを理解しています...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...ときどき両方の間に生じがちな障害を未然にとり除いたのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...漸く傾きかけてきた手漉紙の崩潰を未然に防ぐことも出来よう...
柳宗悦 「和紙の教へ」
...それに引続いて来るべき精神科学応用の犯罪の横行時代を未然に喰い止めて...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...その禍いを未然にのぞく方法も決してないではありません」「そういう方法があるならば...
吉川英治 「三国志」
...これは曹操にしてみれば災いを未然に防ぐ消極的な一工作に過ぎなかったが...
吉川英治 「三国志」
...事の未然に知れたのは幸いだ...
吉川英治 「三国志」
...未然に船を捨てて...
吉川英治 「新書太閤記」
...これは未然に敏(さと)くも信長の知るところとなって...
吉川英治 「新書太閤記」
...未然によい思慮を施す智嚢(ちのう)はないか」と...
吉川英治 「新書太閤記」
...未然に救うのが彼の立場だった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...それを、肉眼にも、肌にも触れぬうちに、察知して、未然に、危地から身を避(よ)ける剣の心機――」「心機とは」「禅機」「……では、沢庵どのでも、そうしたことがおわかりになるかの」「さあ、どうだか」「何にしても、恐れ入りました...
吉川英治 「宮本武蔵」
...――ああ! わしは、何という迂濶者(うかつもの)だ!伜(せがれ)の秘密を、未然に、処置してやらないばかりか、伜が、江戸表へ帰って、貴殿の温かい手に匿(かくま)われていることも、貴殿が、そのために、腹を切って、果てたことも、当時は、夢にも知らずにおッた...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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